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» 2017年01月10日 08時00分 UPDATE

スピン経済の歩き方:だからトランプに負けてしまう トヨタの急所 (5/5)

[窪田順生,ITmedia]
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「大物番頭」が必要なのか

 1月6日、トランプのTwitterを受けて『朝日新聞』から取材を受けた「トヨタ幹部」は、このようなことをおっしゃっている。

 『誰かに何かを言われて原則を曲げるようでは持続可能な経営はできない』(朝日新聞1月6日)

 まったくもって正論だ。が、原則を押し通すだけでは、あのトランプ氏と渡り合えるのかという不安もある。日本では感情の赴くままに暴言を吐くおじさんのイメージだが、選挙前の暴言やらが計算ずくのパフォーマンスからも分かるように、彼はノープランで、トヨタにケンカを売るような人物ではない。

 自身を「取引の天才」とうそぶくように、すべての行動に理由がある。今回もトヨタ、その先にある日本への「メッセージ」の可能性がある。

 このような「トランプリスク」が顕在化したタイミングで、奥田氏の再評価本が世に出るのはもはや偶然とは思えない。

 今のトヨタには、武田剛平のような会社を守るために、創業家と対峙することも厭(いと)わぬ「大物番頭」が必要なのではないか――。『トヨトミの野望』をつくりあげた人々は、トヨタに対してそう問いかけているのかもしれない。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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