しかしオリジナルの方は、入退社「年」しかなかったり、入社年月はあっても退社年月がなかったりと、不十分な情報しかないこともあって、それでは履歴書として成立していません。情報漏れがあっては履歴書になりません。
転職歴が多く、あまり詳細を書きたくないと言う方もいるかもしれません。しかしこれはどんな書類審査でも隠せるものではありませんし、そこを隠して審査・選考が進むとは考えられません。どうせ後で聞かれることであれば、最初から必要十分な情報が書かれている書類が優先されます。正しい書類はやはり内定への一番の早道なのです。
履歴書の情報は、一般的に自由書式の職務経歴書と異なり、書くべき情報に限りがあります。しかしこれが逆に書かなければならない情報を特定できることで、重大な選考材料になります。「履歴」情報、特に職務経験は履歴書によって一覧でき、その人の人生そのものを一発で見ることができとても便利です。
情報もれのある履歴書を出すという行為は、結果としてビジネスマンとしての常識・感覚欠如、あるいはリスク管理能力の無さと見られかねない恐れがあります。「相手目線」はいかなるビジネスでも決定的に大切な姿勢だと思いますが、履歴書を、選考する側に分かりやすく書けることはすなわちビジネスセンスだといえます。
逆に自分本位な情報開示しかできないと判断されれば、それは選考上有利になるはずがありません。すべての企業がそう思うかどうかはもちろん限りません。しかしすばらしい経歴があっても、選考する立場を理解して情報を提示できる人とそうでない人の差は、まず書類審査で差となってくるでしょう。
ヘッドハントされるほどの強い魅力にあふれる方などごく一部の例外を除き、「選ばれる履歴書」はやはり「欲しい情報がしっかり載っている履歴書」です。華々しい経歴や成果はいかようにも職務経歴書で表現すれば良いのです。履歴書はそこではなく、しっかりとしたキャリアの連続性や断絶の無いことなど、ビジネスセンスを一発で提示できることが大切であることを今一度確認してほしいと思います。 (増沢隆太)
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