三菱自、営業益黒字に 17年3月期予想組織改革で業績回復目指す

» 2017年02月01日 10時29分 公開
[ITmedia]

 三菱自動車は1月31日、2017年3月期の連結営業利益が前期比99.3%減の10億円になる見通しだと発表した。16年10月に公表した業績予想(276億円の営業赤字)を上方修正。黒字確保を見込む。コスト低減効果や為替の円安基調が寄与する見通しだ。

photo 主力のSUV「アウトランダーPHEV」

日本、東南アジアで台数減

 16年4〜12月期の連結業績は、売上高が前年同期比19.3%減の1兆3417億円、営業損益は232億円の赤字、純損益は2133億円の赤字。燃費データ不正問題による損失や販売台数の減少が響いているが、第3四半期(16年10〜12月)の営業損益は黒字に転換した。

 新車販売台数は、14.5%減の67万3000台。国内は燃費不正問題の影響で24%減らした。また、最大市場のアジアも5%減。中国が回復基調にあるものの、東南アジアは前年の新型「パジェロスポーツ」投入の反動減で不振だった。北米は「ミラージュ」が減少したものの、「アウトランダー」が好調。前年並みの台数だった。

V字回復を目指す

 通期の売上高は前期比16.7%減の1兆8900億円、営業利益は99.3%減の10億円、純損益は2020億円の赤字を予想。いずれも従来予想を上方修正した。

 コスト低減や為替などの効果で業績回復を見込めることから、下期(16年10月〜17年3月)の営業損益は326億円の黒字となる見通し。従来予想(40億円の黒字)と比べると、販売台数・車種構成の変化やコスト低減など、為替を除く改善の効果で169億円の利益を上乗せできる見込みだ。コスト管理に関しては、日産自動車との提携で改革を進めており、「生産から販売まで一貫した機動的な月次管理を徹底」(池谷光司副社長)することで採算性を改善しているという。

 一方、通期の新車販売台数は従来予想を下方修正し、前期比12.1%減の92万1000台とした。東南アジアや中東・中南米などにおける需要の停滞を盛り込んだ。

 会見した池谷副社長は「V字回復のシナリオを確かなものにしたい」と強調。損益管理の強化や社内コミュニケーションの改善など、引き続き改革に取り組む姿勢を示した。

photo 決算を発表した三菱自動車の池谷光司副社長

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