KDDIの3Q、増収増益 通期営業益を9100億円に上方修正決済サービスとMVNO好調

» 2017年02月02日 19時32分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 KDDIが2月2日発表した2016年4〜12月期の連結決算は、売上高が前年同期比6.8%増の3兆5222億円、営業利益が15.4%増の7757億円と増収増益だった。好調を踏まえ、通期の営業利益を従来予想から250億円増の9100億円に上方修正する。

photo KDDIが発表した財務数値
photo 上方修正する項目

 金融事業、コマース事業などを含む「バリューセグメント」が大幅に成長し、売上高が72.3%増の3298億400万円、営業利益が42.9%増の805億9700万円に達した。au契約者の有料サポートサービス「auスマートパス」の会員が拡大したほか、決済サービス「auかんたん決済」「au WALLET」の利用者が増え、決済手数料収入が増加したことが売り上げ・利益を押し上げた。

photophoto auスマートパスの伸び率=左、auWALLETの伸び率=右

 主力の通信事業など「パーソナルセグメント」は、売上高が4.1%増の2兆7049億900万円、営業利益が15.6%増の6068億6700万円。au契約者数は他社のMVNO(仮想移動体通信事業者)が台頭した影響で減少したものの、KDDIのサブブランドMVNO「UQ mobile」の契約者増でカバー。第3四半期のARPA(1アカウント当たりの月間売上高)は6390円に伸びた。

photo ARPAの伸び率
photo UQ mobileの契約者数

 田中孝司社長は「MVNOに参入したことで、これまでアプローチできなかった顧客層を獲得できた。ただ、auからUQ mobileへの顧客流出が続くと減収要因になるため、何らかの対策を講じる必要がある」と話す。

 KDDIは昨年12月、個人向けMVNOサービスも手掛けるビッグローブを買収。グループ内での顧客流出を懸念する指摘もあるが、田中社長は「顧客とのタッチポイントを増やすことを第一に考えた施策。ポイントサービスの連携など、両社のサービスを組み合わせてシナジーを生み出していきたい」とした。

photo ビッグローブ子会社化の目的

 今後は通信サービスだけでなく、生命保険の販売や電気サービスの提供などライフデザイン事業に注力する。パートナー企業と提携し、IoT(モノのインターネット)関連事業も進め、さらなる収入増につなげる。

photo KDDIが取り組むIoTビジネスの概要

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