16年の実質賃金、0.7％増で5年ぶりプラス 厚労省：賞与の増加など影響

[ITmedia]

　厚生労働省が2月6日発表した毎月勤労統計調査（速報）によると、2016年の労働者1人当たりの給与総額は、月平均で前年比0.5％増の31万5372円であることが分かった。実質賃金は0.7％増で、5年ぶりにプラスに転じた。

厚労省による調査結果

　産業別では、最も前年からの伸び率が高かったのは「不動産・物品賃貸業」で、4.8％増の36万7901円。以下、「複合サービス事業」が2.5％増の38万5492円、「建設業」が1.4％増の38万5179円と続いた。

　一方、最も給与が減ったのは「金融業・保険業」で、1.4％減の46万5562円。次いで「生活関連サービス業」が1.0％減の20万3553円、「運輸業・郵便業」が0.1％減の34万230円だった。

産業別の給与額（厚生労働省調べ）

　1人当たりの月間総実労働時間は、前年比0.6％減の143.7時間。うち所定内労働時間は0.4％減の132.9時間で、所定外労働時間は1.6％減の10.8時間となった。

実労働時間の推移（厚生労働省調べ）

　厚生労働省の担当者は「物価の下落と賞与額の増加が、給与総額と実質賃金を押し上げた」と説明する。労働時間の短縮については「近年雇用が増加しており、パートなどの短時間勤務を始める人が増えている影響」とみている。