エプソン、国内プリンタ事業拡大へ大勝負初の日本専用モデル投入(4/6 ページ)

» 2017年02月08日 12時05分 公開
[大河原克行ITmedia]

認知度アップが課題

 だが、その一方で、いくつかの要望も上がってきた。

セイコーエプソンの碓井稔社長 セイコーエプソンの碓井稔社長

 EW-M660FTは、グローバルモデルであったため、日本のユーザーの細かい要求には対応できていない部分があったのだ。例えば、写真プリント対応や、フチなし印刷への対応、メモリーカードスロットの搭載、CDなどのレーベルへの印刷機能の搭載、2段給紙カセットの搭載などである。

 そこで、今回新たに発売するEW-M770Tは、これらの要望に対応。自動両面印刷、2.7型カラー液晶パネルの搭載とともに、フチなし印刷や3ウェイ給紙、スマホ連携、ディスクレーベル印刷、メモリーカードスロット搭載など、日本のユーザーが求める機能の充実を図った。

 「日本のニーズに最適化した設計をした初の大容量インクタンクモデル」と、エプソンでは位置付け、「これによって、大容量インクタンクモデルの価値を、より積極的にユーザーに伝えていきたい」とする。

 エプソンの調べによると、国内における大容量インクタンクモデルの市場認知率は約35%、その価値を理解している人は23%にとどまっているという。

 3月2日からは、女優の吉田羊さんを起用したテレビCMもスタート。全国2000店舗での展示を行うほか、Webを通じた訴求も開始する。大容量インクタンクモデルの本格的な訴求は、日本では初めてのことになる。訴求ポイントは、「文字も写真もジャンジャン印刷」となり、同時に、「ケタ違い大容量・エコタンク方式」、「インク満タン、1年分」も訴求キーワードになる。ターゲット層は、これまでのオフィスやSOHOのビジネス利用だけに限定せず、プリントボリュームが多い家庭での利用も想定している。

 EW-M770Tの同社直販サイトでの価格は、6万9980円(税別)。インクカートリッジモデルと比べると、4251枚を印刷した時点でコストが逆転。「5年間の使用の場合、月に71枚印刷する人であれば、大容量インクタンクモデルの方がお得となる。印刷枚数が増えれば増えるほど、TCOを削減できる」とする。2年間の無償保証に加えて、無償引き取りサービスも提供する。

4251枚を印刷した時点でコストが逆転 4251枚を印刷した時点でコストが逆転

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