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» 2017年02月14日 06時00分 UPDATE

長浜淳之介のトレンドアンテナ:バレンタインで板チョコが人気になったワケ (1/2)

近年、スーパーのバレンタイン用チョコレートコーナーでは「板チョコ」が山積みになっており、コーナーの半分ほどの面積を占めている店もある。10年くらい前までには見なかった光景だが、一体何が起きているのか。

[長浜淳之介,ITmedia]

 本日(2月14日)はバレンタインデー。1月下旬から2月上旬は、チョコレートの年間売上が一番伸びる期間だ。バレンタインのチョコレートというと、贈答用の高級ブランドを思い浮かべるが、最近は安価でプレーンな板チョコの需要が伸びている。

 スーパーの店頭に行くと、板チョコがバレンタイン用チョコレートコーナーで山積みになっており、コーナーの半分ほどの面積を占めている店もある。10年くらい前までは見なかった光景だ。

 ご存じの方も多いかもしれないが、近年は、明治「ミルクチョコレート」、ロッテ「ガーナチョコレート」、森永製菓「森永ミルクチョコレート」のような1箱100円程度の昔から売っている板チョコを購入し、その板チョコを材料に手作りのチョコレートを作って、友人同士で贈り合う「友チョコ」がトレンドになっている(特に学生の間で)。

 内気な女性が勇気を振り絞って片想いの男性に告白をするバレンタインデーや、恋人にいつもの感謝を伝えるバレンタインデーも健在だが、それよりは「周囲とのコミュニケーションを深める日」というイメージに変化してきている。最近は男性も4人に1人は友チョコを贈り合っているという(マクロミル調べ)。

photo 手作りチョコ用途で、板チョコが売れている

なぜバレンタインで板チョコが人気なのか

 チョコレートとココア製品の広報活動を行う日本チョコレート・ココア協会は「かつて、バレンタインデーのチョコレート需要は高級メーカーの独壇場で、普及品を販売している大手メーカーの出る幕はなかったのですが、7年くらい前から大手の板チョコが売れるようになりました。消費者が身の丈に合う商品を買うようになったということです」と、ちょうどデフレと不況が深刻化していた2010年頃に、バレンタイン消費の潮目が変わったと指摘する。

 板チョコなら、財布事情が厳しくても購入しやすい。しかし、板チョコにリボンを掛けてそのまま贈るのはプレゼントとしていかがなものかという心理も働く。そこで、板チョコを材料として、オリジナルのチョコレートを作って贈ろうというのが主流になった。手作りならば、「モロゾフ」「メリー」「ゴンチャロフ」といった百貨店でおなじみの高級品、「ゴディバ」のような海外ブランド品にも、気持ちでは負けないというわけだ。

 メーカー側が“仕掛けている”ことも板チョコ人気を後押ししている。明治、ロッテ、森永製菓のバレンタイン用サイトを閲覧すると、手作りチョコレートのレシピがクローズアップされている。

 明治の広報担当者は「2005年くらいから、ミルクチョコレート(板チョコ)を使って手作りのチョコレートを作ってみませんかと、毎年プロモーションを行ってきました」と説明。徐々に手作りチョコレートへの関心が高まり、5年ほどかけて成果が表れてきた。その後もさらに盛り上がりを見せて、今やバレンタインの主流にまで上り詰めてきている。

photo (出典:明治公式Webサイト)
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