JINS MEMEで認知症予防のソリューションを開発するためには、JINS MEMEの活用を広げて「何をしているとき、どんな状態になるのか」といったデータを大量に集めていく必要がある。しかしどうすれば、多くのユーザーが眼鏡をかけてくれるようになるのか。
井上さんは、まずはさまざまなアプリの提供を通じて「眼鏡で自分の状態を測る」というライフスタイルを提案し、少しずつ広げていくしかないと考えた。
そこで2017年1月に誕生したのが、社員の集中力を可視化して労働生産性の向上をサポートする企業向けサービスだ。JINS MEMEを装着した人の視線移動やまばたきの回数、体軸変化から集中力を計測することができる。集中力が高まる時間帯や業務を見える化させることで、その人に合ったに合った勤務時間帯やポジションを設定するなど、より効果的な施策を打てるようになるという。
「生産性向上は社会のトレンドだが、生産性を図る指標が存在していません。体重計に乗らずに効果的なダイエット方法を見つけようとしているようなものです。まずは『集中力の見える化』から始めて、“常に眼鏡で何かを測ることが当たり前の社会”を作っていきたいですね」
同サービスの正式ローンチは4月以降だが、既に多くの企業から引き合いがあるそうだ。JINS MEMEは集中力ほかにも、精神状態(喜怒哀楽)を見える化するなどさまざまな活用の可能性を秘めている。今後もJINS MEMEならではのサービスを生み出し「最終的には収集したデータを活用して認知症予防の研究を加速させ、世界から認知症をなくすソリューションの開発につなげていく」(井上さん)計画だ。
同社は、JINS MEMEによる認知症予防サービスのローンチ時期については公表していないが、井上さんは「自分の親が認知症になる前に必ず実現したい」と力強く答えた。
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