レクサスがこのような活動を本格的にスタートしたのは2013年。最初はサーキット場でレーシング技術などを高めてもらうような、純粋なドライビングレッスンだったが、昨年からは宮古島のオフロードで限界走行に挑戦するなど、より非日常感や驚きを味わってもらうようなプログラムを設けている。
「コト消費と言われて久しいですが、単にお金を出せばできるようなことではなく、レクサスを通じてより充実した経験をしてほしいと考えました」と、レクサスブランドマネジメント部 Jマーケティング室 グループ長の宮永悦充氏は意義を説明する。
レクサスにとってライバルと言えるブランドは、Audi(アウディ)、BMW(ビーエムダブリュー)、そしてメルセデス・ベンツのジャーマン3だ。現在のAMAZING EXPERIENCEを打ち出すことになった背景には、かつてこの3ブランドと比べて「革新」「感動」「デザイン性」といったイメージが弱かったという市場調査結果が出ていたからだ。
「レクサスは日本では環境への配慮、品質、サービス満足度などの評価は高かったのですが、革新性といったイメージは劣っていました。それをどうにかしたいということで、先進的なブランドイメージを強くする活動に取り組んだのです」(宮永氏)
非日常感を味わえるドライビングレッスンに加えて、ファッションやモノづくり、アート、旅、食など、レクサスが顧客ターゲットとする富裕層や情報感度の高い人たちが興味を持ち、彼らの間で話題になりやすいものに標準を定めてブランディング活動をしてきた。時を同じくして、レクサスブランドマネジメント部という新組織を立ち上げた。
例えば、食に関しては、東京・青山にブランド発信スペース「INTERSECT BY LEXUS- Tokyo」を2013年8月にオープン。狙いは単なるクルマのショールームではなく、一緒に食事を楽しめるレストランやグッズショップなどを同じ空間に併設することで、よりレクサスが持つブランドイメージや、提案するライフスタイルの姿などを伝えやすいと考えたからだ。
「富裕層の求めていることは一人一人異なります。一口に芸術が好きだと言っても幅が広いわけです。すべてを追いかけることはできませんが、レクサスがさまざまな分野で触媒になっているのだ、そこにかかわる人たちを支援しているのだということを理解してもらうきっかけになればと思います」(宮永氏)
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