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» 2017年03月31日 12時06分 UPDATE

民営化30周年:JR西日本 事業多角化へM&A、不採算路線は撤退

国鉄が昭和62年に分割・民営化され、JR西日本が発足して4月1日で30周年を迎える。産経新聞のインタビューに来島達夫社長が応じた

[産経新聞]
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 国鉄が昭和62年に分割・民営化され、JR西日本が発足して4月1日で30周年を迎える。近畿圏での鉄道事業強化や、不動産事業などへの経営多角化により、平成29年3月期の連結売上高は発足時の約2倍となる1兆4500億円を見込むまでに成長した。30周年を前に産経新聞のインタビューに応じた来島達夫社長は、「地域とともに生きていく企業の色合いをより鮮明にしていく」とアピール。M&A(企業の合併・買収)や、不採算路線の撤退による効率化なども検討し、さらなる事業拡大と地域社会への貢献を目指す。(阿部佐知子)

“鉄道以外”40%へ

 成長の柱となっているのは鉄道以外の事業だ。発足当初は駅の売店「キオスク」や駅ビル運営などに限られ、関連会社の収入はわずかだったが、近年はマンション分譲や商業施設運営へと拡大。28年3月期は売上高に占める割合が36%にのぼり、35年3月期には40%まで引き上げる計画だ。

 平成29年2月、三菱重工業グループの不動産賃貸・分譲会社、菱重(りょうじゅう)プロパティーズ(東京都)を子会社化し、首都圏での事業強化に乗り出した。また27年には子会社が京都の老舗喫茶店を買収するなど、異業種への進出も盛んだ。来島社長は「M&Aは今後も積極的に検討する」と強調する。

 鉄道運輸収入も、発足年度から23%増の8500億円(28年3月期)と大きく伸ばした。特に私鉄や地下鉄と競合する京阪神では、9年に東西線を開業し、その後も神戸、京都方面で新駅開業や新快速の増便などに力を入れてきた。近畿圏での輸送量は、11年に在阪私鉄5社の合計を上回り、さらに差を広げている。

 ただ、近畿圏以外の運輸収入は、発足当初の1718億円(昭和63年3月期)から、1105億円(平成28年3月期)に減少した。

安全対策も推進

 平成28年、廃線を決めた広島・島根両県を結ぶ三江線は、1日1キロ当たりの利用人員を示す「輸送密度」が発足時の458人から50人に落ち込んでいる。来島社長は「三江線に準ずる(利用人員の)エリアもある。どういう交通がふさわしいのか、地元との相談が必要」とし、廃線も含め再編を検討する考えを示す。

 一方、平成17年4月に起きた福知山線脱線事故について、来島社長は「事故発生を予見できなかったことは、非常に大きな反省」と言及。事故の予兆現象を事前に数値化する「リスクアセスメント」といった取り組みを推進し、安全対策の技術開発も進めるとした。

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