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» 2017年04月03日 05時30分 UPDATE

1時間で充電完了:富士通、世界最小・最高効率のACアダプター商品化へ (1/2)

富士通が従来の約3分の1の短時間で充電できる世界最小・最高効率のACアダプターを開発した。通常のアダプターより小さく、2.5センチ角のサイコロのような見た目。スマホの充電には平均3時間ほどかかるが、このアダプターだと1時間で完了する。

[産経新聞]
産経新聞

 平成28年の1年間だけで、14億台以上が世界中に出荷されたスマートフォン。その性能は普及とともに日々進化しているが、いまだに不満を感じるユーザーも少なくない。その1つが充電時間の長さだ。富士通は、家庭用コンセントから取り込んだ交流の電気を直流に変換する際のロスを減らし、従来の約3分の1の短時間で充電できる世界最小・最高効率のACアダプターを開発した。

 通常のアダプターより小さく、2.5センチ角のサイコロのような見た目。スマホの充電には平均3時間ほどかかるが、このアダプターだと1時間で完了する。


 富士通研究所の広瀬達哉氏が、部下の今井三貴氏と二人三脚で開発した。開発に着手したのは平成26年初め。広瀬氏は当初、ノートPCのアダプターを考えていた。

 ターゲットを変更したのは「今やスマホの方が普及し、インパクトを与えられる」との同僚の助言がきっかけだ。より充電時間が短く、より小さなアダプターが理想だった。「そんなものがあれば自分自身がほしい」。広瀬氏は笑う。

 充電時間の短縮化と小型化の両立は至難の業だったが、2人はひるまなかった。今井氏も「どうせ世界一を狙うなら、より小さい方がいい」と賛同した。

 ACアダプターの内部では、電圧を制御する半導体のトランジスタがオン・オフを切り替えたり、トランスと呼ぶ部品で変圧したりしている。このオン・オフの切り替えが速いほど、交流から直流への変換効率は高まるが、素材にシリコンを使った従来のトランジスタでは充電時間の短縮に限界があった。

 そこで、素材に窒化ガリウムを使うことにした。青色LED(発光ダイオード)にも用いられている高効率材料で、電気のオン・オフを素早く切り替えられる特長があるからだ。

 ただ、シリコンより価格が高く、スマホでは採用されていなかった。富士通はシリコンと窒化ガリウムを併用した回路でコストを抑制することにした。

見た目は2.5センチ角のサイコロ状をしている
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