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» 2017年04月04日 08時03分 UPDATE

応札最高額は2兆円超:新会社「東芝メモリ」発足 高値売却が再建のカギ

経営再建中の東芝は1日、半導体メモリ事業を分社し、新会社「東芝メモリ」を発足させた。

[産経新聞]
産経新聞

 経営再建中の東芝は1日、半導体メモリ事業を分社し、新会社「東芝メモリ」を発足させた。米原子力事業で生じた巨額損失を穴埋めする資金確保に向け、株式売却先の選定作業が本格化。経営再建には高値での売却が必須で、東芝が望む2兆円超の買収提案もあるが、政府の横やりや独占禁止法の審査が足かせとなり、難しい選択を迫られる可能性もある。(万福博之、井田通人)


 3月29日に締め切った1次入札では海外のファンドや競合企業など10社程度が応札したとみられる。有力な応札先に4月中にも2次入札を実施し、提案内容を見極めて早ければ5月に売却先を決める。

 買収提案は「全株取得がほとんどで、金額は1兆5000億〜2兆円超」(関係者)。東芝は世界シェア2位の半導体メモリ事業の価値を少なくとも2兆円とみており、2次入札で競り合う展開になれば、2兆円を大きく上回る応札も予想される。

 だが、金額だけでは決められない難しさがある。

 東芝の半導体メモリ技術は軍事転用できるため、政府は、安全保障の観点から中国への技術流出を懸念。東芝が中国とかかわりの深い台湾企業へ売却しようとすれば、外国為替および外国貿易法(外為法)に基づく見直し勧告も視野に入れる。安くてもいいから日米連合が買収するのが望ましいと、米政府から圧力がかかるとの見方もある。

 また、売却の際の各国当局の独禁法に基づく審査もハードルだ。審査は業態を問わず必要で「半年はかかる」(東芝幹部)とみられる。東芝が上場を維持するには平成29年度中に売却を完了させる必要があるため、シェアの大きい競合企業は、審査時間との兼ね合いで選択肢から外さざるを得なくなる可能性もある。

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