デジタル化で“生き生き”接客 町のクルマ屋さんの事例目的の共有がカギ(3/3 ページ)

» 2017年04月06日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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笑顔があふれる店に

 杉戸自動車の課題やニーズを聞きながらシステム導入を提案しているのが、ブロードリーフの鈴木有輔さん。「泰楽社長のすごいところは、社員と目的を共有していることと、コミュニケーションを取れる雰囲気をつくっていること」と話す。

photo 泰楽社長(左)とブロードリーフの鈴木さん。良きパートナーだ

 そんな泰楽社長も、会社を引き継いだ当初から今の経営スタイルだったわけではない。7年ほど前までは、「売り上げを中心とした考え方で、数字と効率ばかり追っていた」という。社員に対して、罵声を浴びせることも珍しくなかった。

 そのやり方でしばらくは売り上げが増えていったが、すぐに伸び悩んだ。他の経営者に愚痴をこぼしたところ、「勉強不足だ」と怒られたという。それをきっかけに「生き方から見つめ直した」。全てを独断で決めていた方法を変え、自分が感じている問題意識から社員と共有し、議論するようになった。話し方も穏やかになったため、「社長、おかしくなった?」と、逆に距離を置かれたことも。「(変わった自分を)受け入れてもらうのに3年かかった」という。

 経営スタイルを変えた効果は、伸び悩んでいた売り上げにも表れた。社員との関係も変わった。構えすぎず、自然体で接することで、何でも言い合える関係を築いている。「社員に少しばかにされるぐらいがちょうどいいんですよ」と笑顔を見せる。

photo 杉戸自動車の社員と。笑顔が印象的だ

 目指す姿は「日本一、笑顔があふれるお店」。みんなが笑顔でいられる会社を目標として掲げることで、「サービスがどうあるべきか」が明確になる。そして、そのための取り組みも定まってくる。必要なツールを取捨選択して、自社に最も適したシステム運用を実践している。

 泰楽社長は「クルマ屋さんとして、できる限りのサービスを提供していく。地域の方が困ったときに頼る場所として、一番手になれるようなお付き合いをしていきたい」と展望を思い描く。

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