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» 2017年04月06日 05時30分 UPDATE

上場すれば世界最大:サウジ国営石油、東京証券取引所への誘致なるか (1/3)

日本取引所グループが、2018年と見込まれているサウジアラビアの国営石油企業「サウジアラムコ」の新規株式公開で東証への上場誘致に取り組んでいる。一部では、時価総額は2兆ドル(約220兆円)超との観測も。

[産経新聞]
産経新聞

 東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)が、2018年と見込まれているサウジアラビアの国営石油企業「サウジアラムコ」の新規株式公開(IPO)で東証への上場誘致に取り組んでいる。時価総額は2兆ドル(約220兆円)超との観測も一部にあるほどで、現在世界最大の米アップル(4月3日終値で約84兆円)の3倍近くだ。欧米やアジアの取引所も取り沙汰される中、JPXはトップ自らがキーマンとの面会を見通せない中でサウジに乗り込むほど前のめりの姿勢だが、果たしてその努力は報われるのか。

アポ不確定……でもサウジに飛んだCEO

 サウジ国王としては46年ぶりとなる来日に沸いていた3月14日。東京・日本橋兜町の東証で、JPXの清田瞭(あきら)最高経営責任者(CEO)と、サウジ証券取引所のハーリド・アブドゥッラー・アール・ハサンCEOが包括的な協力協定へのサインに臨んだ。金融商品の開発、双方の取引所での株式重複上場、市場調査や宣伝活動、金融経済教育など幅広い分野で協力を探るという内容だ。

 あいさつで清田CEOは、サウジアラムコについて一切言及しなかった。それでも今回の協力協定を、同社の東証への上場誘致の手かがりにしたいとの思惑が透けてみえる。

 実際、JPXはサウジアラムコの東証への上場誘致に並々ならぬ意欲をみせている。サウジ証取と協力協定を結ぶ約3カ月前の2016年12月下旬、清田CEOはサウジの首都リヤドを訪れていた。サルマン国王の息子でサウジの軍事や経済で強い権限を持つムハンマド・ビン・サルマン副皇太子らに直接、サウジアラムコの東証への上場を訴えるためだった。

 「会えるか会えないか分からない」(清田CEO)という不確かな状況でもあえて現地に乗り込み、長時間待った結果、ムハンマド副皇太子らキーマンに面会できた。清田CEOは「東証は上場会社時価総額で世界3位。サウジアラムコのような巨大企業は一定以上のマーケット規模のあるところに上場すべきです。東証は個人投資家からの大きな投資意欲も期待できます」と口説いた。

 政府もJPXの誘致活動を全面的に支援。安倍晋三首相とサルマン国王の会談を受けて3月13日に発表された合意文書「日・サウジ・ビジョン2030」では、サウジアラムコの東証への上場に向けた協力も盛り込まれた。

サウジ証券取引所のハーリド・アブドゥッラー・アール・ハサンCEO(左)が東京証券取引所を訪問し、東証を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭CEOと握手を交わした=3月14日、東証(森田晶宏撮影)
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