NTT、通話料を全国一律「3分8.5円」に 24年からマイラインも終了決定

» 2017年04月06日 17時53分 公開
[ITmedia]

 NTT東西地域会社は4月6日、2025年までに固定電話をインターネットの技術を利用したIP電話に切り替えると正式発表した。IP電話化は21年から開始し、段階的に移行を進める。通話料金は24年初頭に変更し、全国一律で通話3分間当たり8.5円とする。

 顧客が通話距離に応じて電話会社を選択できる「マイライン」サービスも終了を決定。今後マイラインに参画する電話会社と協議を進め、今秋をめどに終了時期を確定する。

photo 新料金と提供条件

 同社は、固定電話市場の縮小を踏まえ、10年ごろからIP電話化に向けて検討を進めていた(関連記事)。現在の固定電話で使用している公衆交換電話網(PSDN)の中継・信号交換機が老朽化などの影響で25年に維持限界を迎えるため、同年をメドにIP網へと切り替えることを決めたという。

photo 切り替えのスケジュール

 現在、NTTの固定電話事業は加入者の減少が続いており、年間400億円程度の赤字を計上している。IP電話化による同事業の運営状況の改善について、NTT東日本の飯塚智営業企画部門長は「PSDNとIPの2種類の通信網を一元化するため、コストの効率化が見込まれるが、黒字化できるかは不透明」と説明する。

 NTT西日本の伊藤正三取締役は、「IP網の特性を生かして、顧客の負担を減らしつつ移行を進めていきたい。顧客には、電話機の交換や新たな回線は不要であることを周知し、詐欺などの消費者被害を防ぐ取り組みも行っていく」と話している。

photo 顧客対応の概要

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