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» 2017年04月07日 11時00分 UPDATE

開発までに1年:超微細な氷「ナノアイス」を全国供給へ 宮城・エナステージ (1/2)

水産物の鮮度維持に欠かせない氷。ナノレベルまで細かく軽量化した氷を作る機械がある。宮城・東松島市のエナステージは「ナノアイス」と呼ばれるその製氷機を米国から輸入し、全国の水産会社に販売。卸先の食品販売の効率化に貢献している。

[産経新聞]
産経新聞

 水産物の流通では、箱詰めした魚介類を鮮度維持のため氷で冷却する。その氷をナノレベルまで細かくそいで軽量化し、一般的な氷よりも短時間で冷却できる氷を作る機械がある。宮城・東松島市のエナステージは、「ナノアイス」と呼ばれるその製氷機を米国から輸入し、全国の水産会社に販売。卸先の食品販売の効率化に貢献している。


 代表の阿部誠さん(66)は「指紋が付くぐらい微細。魚にすき間なくペタッと張り付くので冷え方が早い」とその効果を強調する。冷却時間が短い分、雑菌の繁殖も少なく抑えられ、味にも変化が現れる。

 海水で作られた氷は製氷の課程で塩分と水分が分離するが、氷点下20度に設定された製氷機内部で作られる氷はきめ細かく、塩分と水分がよく混ざるという。「海水の圧力と魚介類の細胞の浸透圧は同程度」という現象が影響して、魚介類の「皮膚」からうまみ成分が抜け出さない構造が出来上がるのだという。

 ナノアイスで作られた氷は、青森県産のホタテを福岡県を経由して中国へ海上輸送する際に冷却したり、カキフライに使う広島県産のカキを洗浄するときなどに使われている。

 「賞味期限を延ばすこともできる。そうすれば売れ残った生ものを捨てずに済む」。今後はホテルやスーパーでの導入を探り、食品廃棄量の減少にも期待を寄せる。

 数カ月前からアジの冷却試験も始めた。将来的には銀ザケや金華サバ、ホヤなど、地元・宮城の海産物にも活用の範囲を広げることが目標だ。製氷機は米シアトルの企業が特許を持つため、現在は製品を輸入し、日本国内で使えるよう改修作業を施してから販売する。「ゆくゆくは日本製のナノアイスを作りたい」という。

製氷機「ナノアイス」について説明する阿部誠さん=3月17日、宮城県東松島市
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