できたて提供 ローソン「まちかど厨房」開発に込めた思い店内調理を強みに(3/4 ページ)

» 2017年04月10日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

困りごと解消も

 現場からの声も重視した。少数意見だとしても、「反応してくれる人に対して、しっかりと対応する」ことを心掛け、困りごとの解消に努めた。その一環として、固定費を削減するため、複数設置されていたラベルシール発行の機器を集約。余計なランニングコストがかかる設備を減らした。

 細かいことに目を配る行動の背景には、東北時代の失敗がある。他のエリアの店舗に店内厨房の簡易モデルを教える機会があったが、うまく伝わらなかった。店舗の状況や運営する環境が東北と異なり、同じノウハウを共有することが難しかったのだ。細部にわたって環境を整えることの大切さを学んだ。

 今では、できるだけ「細部にわたって伝える」ようにしている。厨房機器の配置や実際の作業を具体的にイメージできるような情報に加え、店舗への負担などのマイナス情報も明確に伝えるようにしている。「耳障りのいいことばかり言っていてはだめ。プラスマイナスをセットにして判断してもらう」という。

 店舗の利益に大きく貢献する事業に育てるための課題はまだ多い。しかし、「(店内厨房が)簡単になった」と喜んでもらえることも増えた。今では、まちかど厨房の商品が、1店舗当たり1日平均1万5000円の売り上げとなっている。

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