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» 2017年04月11日 11時20分 UPDATE

インタビュー:ルネサス、買収候補は数十社 実現には増資必要=呉社長

ルネサスエレクトロニクスの呉社長は、買収候補対象が数十社に及んでいることを明らかにした。

[ロイター]
photo 4月10日、ルネサスエレクトロニクスの呉文精社長兼最高経営責任者(CEO)は、ロイターなどのインタビューで、買収候補対象が数十社に及び、実現にはエクイティーファイナンス(新株発行を伴う資金調達)が必要になるとの考えを示した。写真は都内で昨年6月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 10日 ロイター] - ルネサスエレクトロニクス<6723.T>の呉文精社長兼最高経営責任者(CEO)は10日、ロイターなどのインタビューで、買収候補対象が数十社に及び、実現にはエクイティーファイナンス(新株発行を伴う資金調達)が必要になるとの考えを示した。買収戦略について呉社長は「大きいものになれば新たな調達が必要だ。エクイティーファイナンスが常識的なやり方だ」と述べた。

同社は昨年9月、主にアナログ半導体を手掛ける米インターシルの買収(約3200億円)を発表。今年2月末に手続きが完了した。さらなる買収の候補について呉氏は、「数十くらい。相当大きい半導体メーカーから委託先のデザインハウスなどバラエティーに富んでいる」と語った。

今後の買収対象について呉氏は、「大電力のパワー(制御)、ミックスドシグナル(アナログとデジタル処理混載の半導体)、センサー、RF(高周波デバイス)、セキュリティーなど、(得意とするマイコンの)周辺で強化したい分野はいろいろある」と述べた。

半導体業界では近年、1兆円を超える大規模な買収案件が相次いでいる。3月には、世界最大手の米インテルが、イスラエルの運転支援システム会社モービルアイを153億ドル(約1兆7000億円)で買収すると発表。今後の自動運転関連の市場拡大を見込んで、業界の巨人が本格攻勢をかける構えだ。

米通信用半導体大手クアルコムは昨年10月、オランダ半導体大手NXPセミコンダクターズを470億ドルで買収すると発表した。英調査会社IHSマークイットによると、NXPは車載用半導体で世界首位、ルネサスは同3位。

呉氏は、インタビューで「大型買収が(短期に)我々の優位とぶつかるとは思わないが、研究開発費など中長期的には脅威だ」と述べた。そのうえで、「業界再編でばらばらに分裂していたマーケットが少数の強いメーカーに統合されていく。M&Aの対象会社が減っていくので、あまり時間をかけるわけにはいかない。財務の健全性を保ちながら、必要な成長の手を打っていく」と強調した。

<東芝メモリー事業、出資の打診なし>

米原発事業の巨額損失で経営危機に陥っている東芝<6502.T>が、外部資本受け入れの入札を実施しているフラッシュメモリー事業にルネサスが出資するかどうかについて呉社長は、「シナジーは考えにくい。余裕はまったくない」などと述べ、可能性を否定した。

東芝のメモリー事業への出資は、経済産業省主導で日本企業に打診されており、一部の大手企業は打診があったことを認めている。ルネサスへの出資要請について呉氏は「ない」と述べた。

(浜田健太郎 編集:石田仁志)

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