開発を担当した宮内章裕氏(グローバルフットウエアプロダクト本部 生産部 品質管理課 技師)も、「プロテクティブスニーカーのノウハウを持ち合わせていない代わりに、さまざまなスポーツシューズのいいとこ取りをして設計を進めていったところがあります」と振り返る。では、スポーツシューズのノウハウはどのように生かされているのだろうか?
それは例えば、メッシュ素材の使い方に表れている。メッシュ素材の採用には、足の負担を軽くする軽量化と同時に通気性を良くする目的があるが、オールマイティではベロ(甲が当たる部分)の中央部に、通気性のある構造を設けた。通常、ベロには中にスポンジなどを入れてクッション性を高めているが、これでは通気性が劣るため、クッション材を入れず、メッシュ素材だけの窓をつくった。宮内氏によれば、これはテニスシューズに用いていた手法だという。
また、トウをラバーで補強したが、これはソフトボールシューズのノウハウを生かした。「開発するに当たり、実際に使われたプロテクティブスニーカーを観察したところ、トウがボロボロになっているモノが目立ちました。トウの耐久性を高める必要性を感じたので、ラバーで補強し、減りにくく破れにくいモノにすることにしました」と宮内氏。使用環境によっては、履き始めて3カ月後には穴があいたり、ソールが剥(は)がれたりすり減っていたりするモノもあったほど。スポーツシューズでは考えられない傷み具合で、想像をはるかに超えていた。
さらには、ラスト(靴型)はウォーキングシューズのものをベースに開発。フィット感を向上させたほか、しゃがんで膝をついたときによく曲がるよう、ソール(靴底)の屈曲溝にもウォーキングシューズのデザインを生かした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング