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» 2017年04月19日 11時06分 UPDATE

投資に前向き:産業革新機構、東芝の半導体売却は「注目案件」

産業革新機構が東芝のメモリ事業について「投資ファンドとして注目している案件だ」と投資に前向きな姿勢。

[ロイター]
photo 4月18日、政府系ファンドの産業革新機構の志賀俊之会長(CEO)は記者会見で、東芝が売却手続きを進めているメモリー事業の入札について「投資ファンドとして注目している案件だ」と述べ、投資に前向きな姿勢を示した。写真は四日市の東芝フラッシュメモリー工場。2014年9月撮影(2017年 ロイター/Reiji Murai)

[東京 18日 ロイター] - 政府系ファンド、産業革新機構の志賀俊之会長(CEO)は18日の記者会見で、東芝<6502.T>が売却手続きを進めているメモリー事業の入札について「投資ファンドとして注目している案件だ」と述べ、投資に前向きな姿勢を示した。

ただ、現時点では「入札には参加していない。東芝との契約に基づくデューデリジェンス(資産査定)も行っていない」とし、「社内的にチームを作って公開された情報に基づいて勉強をしている」段階であることを強調した。

東芝のメモリー売却をめぐっては、米ウエスタンデジタル(WD)、米ブロードコムと米投資ファンド、シルバーレイク連合、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>など4陣営が1次入札を通過したが、政府は技術流出などを懸念し、外国企業の投資を制限できる外国為替法に基づいて審査する方針を打ち出している。

そうした中、政府内には産業革新機構などを活用して、海外企業への完全売却に歯止めをかける案も浮上。産業革新機構の動向に注目が集まっていた。

志賀会長は東芝のメモリー事業への投資について「支援基準に基づいてできる案件なのかどうかが最初のハードルだ」と指摘。「その上で、デューデリジェンスを行って、収益性を検討することになるが、現時点ではそういうステージには入っていない」と述べ、検討はまだ初期の段階であることを明らかにした。

仮に投資する際は金額が兆単位に膨らむことが確実視されていることから「当然、単独ではできないので、いろいろなところとの組み合わせになるが、これについて具体的にどこと組んで、どういう形というのは何も決まっていない」と語った。

志賀会長は「これだけの案件なので、われわれには関係ないということにはならない」と重ねて強調した上で「投資意義・支援基準にかなってやれるぞとなれば当然前に進めるが、そのときに誰と組むかというところまでは至っていない」と現状を説明した。

<ルネサスは機関投資家へ>

同席した勝又幹英社長(COO)は、69.1%を保有するルネサスエレクトロニクス<6723.T>の出口戦略に関して「どこかの段階でエグジットも考えていく必要がある」としたものの、当面は引き続き成長を支援をしていく姿勢を示した。

ルネサスをめぐっては日本電産<6594.T>が興味を示していたが、ルネサスの呉文精社長兼CEOは「特定メーカーの下に入るということではなく、幅広い株主構造の中でやっていきたい」と述べ、特定株主への売却に否定的な考えを示している。

勝又社長は株式の売却について「どこか特定の企業グループに持ってもらうというよりは、一流の機関投資家に長期的な観点から持ってもらうというのが大きなグローバルなトレンドなので、そういった方向性も含めて考えていくことになる」と語った。

産業革新機構は産業競争力強化法に基づき2009年7月に設立。2025年3月末までに保有するすべての株式を売却するよう求められており、運営は折り返し地点を迎えている。投資能力は約2兆円。3月末までの投資決定件数は114件、支援決定金額は9846億円で、あと1兆円強の投資余力を残している。

(志田義寧 編集:田中志保)

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