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» 2017年05月10日 11時44分 UPDATE

不要な処方やめ耐性菌防ぐ:感染危機 薬が効かない:「風邪には抗生物質」思い込み (1/3)

多くの風邪に抗菌薬(抗生物質)は効かない。原因が細菌ではなくウイルスだからだ。しかし、実際の診療の現場では抗菌薬が処方されることが多いとされる。

[産経新聞]
産経新聞

 多くの風邪に抗菌薬(抗生物質)は効かない。原因が細菌ではなくウイルスだからだ。しかし、実際の診療の現場では抗菌薬が処方されることが多いとされる。

 池上総合病院(東京都大田区)の小児科科長、辻祐一郎(55)は数年前、ウイルス性の風邪とみられる症状で訪れた子供の母親に抗菌薬の処方を断った。すると母親はこう訴えた。

 「この子には効くんです。いつも効きますから」

 母親の思い込みかもしれないが、身近で看病する保護者の“経験”をむげにするわけにもいかない。

 「多くの小児科医は風邪に抗菌薬が効かないと知っていて、出さないようにと考えている。しかし、保護者に納得してもらえないことがよくある」と辻は打ち明ける。丁寧に説明して理解を求めることにしているが、「あの先生は出してくれたのに」「薬を出してくれないなら別の病院に行く」と言われた経験を、多くの医師が持つ。

photo 抗微生物薬適正使用の手引きによる風邪の診療の流れ

 国立国際医療研究センターの特任研究員が行ったインターネット調査では、ウイルスに抗菌薬が効くと考える人は半数近くに上り、約2割の人は「風邪で受診したら必ず抗菌薬を処方してほしい」と考えていた。こうした意識が、不要な抗菌薬の処方につながっている可能性がある。

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