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» 2017年05月24日 16時53分 UPDATE

「熱狂させる車がない」:トップ交代の米フォード、株価回復は不透明

米Ford(フォード)でトップ交代。低迷する株価がトップ交代を機に持ち直すかどうかは不透明だ。

[ロイター]
photo 5月22日、米自動車大手フォード・モーターは、マーク・フィールズCEOが退任して自動運転車開発子会社の会長を務めるジェームズ・ハケット氏(左)が後任に就くと発表したが、低迷する株価がトップ交代を機に持ち直すかどうかは不透明だ。写真右は、ビル・フォード会長。ミシガン州で撮影(2017年 ロイター/Rebecca Cook)

[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーターは、マーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)が退任して自動運転車開発子会社の会長を務めるジェームズ・ハケット氏が後任に就くと発表したが、低迷する株価がトップ交代を機に持ち直すかどうかは不透明だ。

CEO交代が発表された22日にフォード株は2.1%上昇した。ただ、S&P総合500種全体が0.5%上げた中で、フォードの上げ幅は比較的緩やかだった。

フォード株は過去1年間で16%近く下落。販売不振や、自動運転車の普及に伴い今後は従来型車の需要が落ち込むとの懸念が重しになった。

S&P500種は過去1年間に17%近く上昇。ライバルのゼネラル・モーターズ(GM)は8%程度の上昇で、電気自動車(EV)テスラの上昇率は41%近くに達している。

ホッジズ・キャピタルのアナリスト、グレー・ブラッドショー氏は「株価を動かすような材料はまったく見当たらない」と指摘。CEOが交代しても自動車業界が直面する構造的な問題は解決しないと冷ややかな見方を示した。

その上で「GMも状況は同じだ。テスラには人々を熱狂させ、どうしても買いたいと思わせる車があるが、フォードやGMにはない」と述べた。

ブラッドショー氏はフォード株を保有しておらず、購入する計画もない。

ある自動車株の主要投資家も、今回のCEO交代は株価を動かすきっかけにはならないとみている。「フォードは技術革新に遅れを取っており、自動車業界は長期的な課題に直面している」と話した。

テスラの株式時価総額は510億ドルで、経営が黒字になっていないにもかかわらずGMとフォードの合計を上回っている。これは従来型車よりも成長の可能性が大きいと期待を集めているのが一因だ。

一方のフォードは先週、事務職員1400人の削減を発表。幹部の話では、今後3カ月から半年で追加的なコスト削減策を打ち出す見通しだ。

アナリストによると、フォードはGMに比べて自社株買いの規模が遥かに小さいことも株価低迷につながっているようだ。

またGMが著名投資家デービッド・アインホーン氏率いるグリーンライト・キャピタルなどを株主に抱え、株式分割を求められているのに対して、フォードは創業者一族が議決権の40%近くを保有しており、株価押し上げ向けた外部からの圧力をあまり感じないで済んでいる。

新たにCEOに就くハケット氏は、家具大手スティールケースを業界トップに復帰させた実績を持つ。しかしこうした経営改革が常に株主に恩恵をもたらしてきたわけではない。

スティールケースはハケット氏が経営に当たっていた18年間に株価が55%以上下落し、配当の再投資を含むトータルリターンは22.3%のマイナスだった。

(David Randall記者)

Copyright © 2017 Thomson Reuters

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