ボクシングの村田諒太は、WBAのワナにはめられたのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2017年05月26日 07時40分 公開
[臼北信行ITmedia]

村田を勝たせたくない裏の力

 この世界戦でジャッジを務めたのは3人。そのうちラウル・カイズ・シニア(米国)が117ー110で村田優勢としたものの、あろうことかグスタボ・パディージャ(パナマ)は116ー111、ヒューバート・アール(カナダ)も115ー112で両者ともにエンダムを支持していた。

 パディージャとアールが「手数の差」でエンダムに軍配を上げたとする見解も出ているが、確かに放ったパンチは村田よりも多かったとはいえ肝心要の有効打数は圧倒的に少なかった。2人は一体何を判定の基準に見ていたのか。もし本当にボクシングを「手数」で優劣を競うスポーツととらえているならば、フルラウンドの中でシャドーボクシングのパンチを数多く放てる選手こそがチャンピオンにふさわしいと考えているのであろう。

 2人が村田の攻勢には目をつぶり、エンダムの勝ちとした理由は別のところにありそうだ。どうやら、この疑惑裁定の裏側には「村田を勝たせたくない裏の力」が働いていたようなのである。

 考えられないような裁定を下した2人のジャッジのうち、パディージャという人物は多くの関係者いわく「真っ黒」のようだ。日本ボクシング界で大きな力を持つ帝拳ジムの本田明彦会長は近年、商業主義に走っていたWBAを批判していたこともあってパナマに本部を置く同団体の関係者からは「厄介者」として見られる傾向が強まっていた。

 パディージャはパナマ国籍でWBA幹部ともズブズブの関係であることを考えれば「帝拳所属の村田に勝たせたくない」という思いが働いたとしても不思議はない。しかも他メディアでも指摘されているように、パディージャは日本人選手(9人)が出場した試合をジャッジしたことがあるが、1人も軍配を上げたことがない「日本嫌いの審判」として業界内ではいわくつきの男だった。

 JBC(日本ボクシングコミッション)の関係者からは「パディージャの父親はパナマに移住してきた日本人移民の安い労働力によって、かつて自身の働いていた工場が潰れて職を奪われた。それ以来『日本人嫌い』となり、息子にもその精神が受け継がれたのではないか」との証言も聞こえてきている。

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