ボクシングの村田諒太は、WBAのワナにはめられたのか赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2017年05月26日 07時40分 公開
[臼北信行ITmedia]

怪しいジャッジが下されてしまう危険性

 話はこれだけでは終わらない。エンダム陣営のプロモーターがWBAに大きな影響力を持つ人物であったことも、一部メディアによって明らかになっている。前出の関係者はこうも補足した。

 「この話は紛れもない事実。だから実際に試合前まで、エンダムとのWBA王座決定戦に臨む村田には、多くの関係者から『大丈夫か?』とささやかれていた。判定に持ち込まれる展開になったら、もしかすると極めて怪しいジャッジが下されてしまう危険性があるんじゃないかと指摘されていた。

 しかもエンダムには強力な“後ろ盾”があったのに対し、村田を支援していたのは以前からWBAの運営に疑問を投げかけていた本田さん(帝拳ジム会長)がいた。そういう構図を考えると、村田陣営が『是が非でもKO勝ちを狙いたい』と公言していたことはうなづける。WBAは最初から村田に勝たせたくなかったのだろう」

 さらに「カネ」だ。判定を下したジャッジのパディージャとアール、そして両者の身を預かるWBA本部にはここにきて裏金疑惑が浮上。今回のエンダム勝利には母国であるはずのフランスからも祝福どころかすさまじい数の批判が沸き起こっていて、同国の老舗スポーツ紙『レキップ』が「エンダムの疑惑勝利の裏には陣営による強力な力、そして“potーdeーvin”(一杯のワイン=仏語で『賄賂』の意味)があったと見られても仕方がない」と報じたように複数の仏メディアは賄賂の存在を疑い始めている。

 逆にこのような報道もあった。フランス、パリに本社を置く『ユーロスポーツ』の番組内で同局専属のキャスターは「一部ではエンダム陣営から巨額のカネがジャッジ2人とWBA側に流れたとの情報も飛び交っているが、さすがにそのようなことはないでしょう」と発言。裏金の疑惑を1人のキャスターが放送の中で否定したことで、フランス国内ではネット上で「逆に怪しい」「やっぱりエンダム側はカネをばらまいていたのか」などと書き込まれ、炎上する騒ぎへと発展している。

 もちろんこれらはウワサの域を出ないレベルの話であって真相は分からないし、信じたくはない。しかし仮にエンダム側から「判定になった場合には何とかして勝たせてほしい」と言われ、事前に裏金の受け取りを成功報酬という形で約束されていれば今回のインチキ判定を2人のジャッジが下したことも合点がいく。その2人を管轄しているメンドサ会長にも疑惑の目が向けられるのは仕方がないことだ。

WBA本部に裏金疑惑が浮上している(写真はイメージです)

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