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» 2017年06月09日 06時35分 UPDATE

中竹竜二氏×サイバー役員・曽山哲人氏対談:チームワークはいらない、それよりも成果だ (1/5)

早稲田大学ラグビー部元監督の中竹竜二氏は就任2年目で大学選手権優勝を果たした。その華やかな結果とは裏腹に、チームはシーズンを通してバラバラ、まったくまとまりがなかったという。しかし、中竹氏はそれも良しとしている。そのわけとは……?

[伏見学,ITmedia]

 「優秀な人が辞めたから業績が伸ばせない」「高い目標を設定されたからチームメンバーのモチベーションが低い」――。そんな言いわけを社内でよく耳にするビジネスパーソンは多いだろう。ただし、優れたリーダーというのは、どんな状況であれ必ず成果を出しているのだ。その差はどこにあるのだろうか。

 早稲田大学ラグビー蹴球部の監督として2度の大学選手権優勝を果たし、現在はリーダー育成事業などを手掛ける中竹竜二氏と、サイバーエージェント取締役で人事を統括する曽山哲人氏が対談。

 前編では目指すべき成果の定義を明確にすることの重要性を、具体的なエピソードとともに強調した。後編は勝つためのチーム作りやメンバーの評価基準などについて意見を交わした(以下、敬称略)。

勝てるチーム、成果を出すチームを中竹氏はどのように作り上げたのだろうか?(写真はイメージです) 勝てるチーム、成果を出すチームを中竹氏はどのように作り上げたのだろうか?(写真はイメージです)

チームワークなんていらない

――チーム目標を明確に定義し、監督就任2年目で早稲田大学ラグビー部は優勝しました。

中竹: 2年目のチームには裏話があって、最初にリーダーたちに50対0で勝つよと言ったとき、どんなチームにしたいかを聞いたのです。彼らは一生懸命考えてきて、「4年生を中心にまとまって勝ちたい」と言いました。「なぜ?」と尋ねると、「去年の4年生はバラバラでまとまりがなかった。あのチームは勝てないと思ったから」と答えるのです。

 それだけ聞くと、とてもいい話に思えますが、僕は譲りませんでした。

 「いやあ、よく聞くよね、そういう話。けどさ、俺はお前たちのチームワークなんていらないと思う。4年生の一体感とか、正直申しわけないけど、どうでもいい」

 さらに続けました。

 「それって、取って付けたような良い組織の話でしょ。じゃあ聞くけど、お前ら1年からレギュラーで出てるけども、同じ学年で6軍の○○というやつ、本気でしゃべったことあるの?」

 そう聞くと、誰も口を聞いたことがなかったのです。

 「同期で話すらしたことないのに、これから一体感持ってやれるなんてうそだよね。過去3年間そんなことがなくて、今年だけまとまるなんてうさんくさいチーム、絶対勝てないよ」

曽山: 強烈ですね。

中竹竜二氏 中竹竜二氏

中竹: そんな彼らに対して、チームワークはどうでもいいから、全員がライバルで、1人1人が戦って、甘やかさない組織にしてほしいと伝えました。ただ、それは僕の意見なので、最後はキャプテンのお前が決めるべきだと言いました。

 彼はすごく良いやつなんですけど、考え抜いた結果、部員全員の前で「チームワークなんていらない」と自分の言葉で宣言したのです。

曽山: 素晴らしいですね。

中竹: 本当に男気のあるやつで、熱い典型的なリーダーでした。実際、そのシーズンのチームは本当にバラバラで、ギスギスしていて、決勝戦前日まで殴り合うような状態でした。

 ところが、そのキャプテンが最後に決勝戦で円陣を組んだとき、「俺たちは本当にバラバラでまとまらなかった。今日勝って、優勝してまとまろうぜ」と言って、本当に優勝したのです。良いチームになったなと思いました。

 そして3年目に入り、新しいリーダーに「お前たちはどうしたい?」と聞きました。すると、「去年は勝ったはいいけど、あんなにギスギスして卒業したくないです。あんな勝ち方は全然嬉しくない」と答えるのです。

 そこで僕も「だよね、俺もあれは嫌だと思ってたんだよ」と応じました。では、どうしたいのか聞くと、最終学年だけとかではなく、1年から4年まで全員が仲良くやれる気がする、全員で楽しく一体感もって勝ちたいということでした。

 そこで「それ、いいね!」と(笑)。このように前年と戦略、スローガンもすべて真逆に振ったのです。実際、その方がこのチームには絶対合うと思ったからです。キャプテンも普段は選ばれないようなタイプを据えて、まったく違うチームを作りました。結果、3年目も優勝しました。

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