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» 2017年06月27日 07時30分 UPDATE

シャープと異なる「事情」:東芝株にくすぶるリスク 描けぬシャープ型再生シナリオ (1/2)

東芝は半導体子会社の売却先として日米韓連合を優先交渉先に決めたが、株主資本は当初の市場見込みより小さくなる見通しで、債務超過や上場廃止のリスクが依然くすぶる。

[ロイター]
photo 6月26日、東芝株の先行きが晴れない。半導体子会社の売却先として日米韓連合を優先交渉先に決めたが、株主資本は当初の市場見込みより小さくなる見通しで、債務超過や上場廃止のリスクが依然くすぶる。写真は都内の記者会見に臨む東芝の綱川智社長。23日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 26日 ロイター] - 東芝<6502.T>株の先行きが晴れない。半導体子会社の売却先として日米韓連合を優先交渉先に決めたが、株主資本は当初の市場見込みより小さくなる見通しで、債務超過や上場廃止のリスクが依然くすぶる。東証2部降格も決まり、経営陣による強力なリーダーシップで1部復帰が期待されているシャープ<6753.T>のような再生シナリオは描きにくいとみられている。

<「344円」の試算に狂い>

東芝の株価は、6月に入って上げ足を速め、13日には一時344円を付けた。米原発事業での巨額減損問題が明るみになり急落した昨年12月以来以降、最も高い水準だ。2月安値の178円からは93%の上昇となる。

いまだ2017年3月期の有価証券報告書も提出できず、上場廃止のおそれもある同社株だが、市場が付けたこの344円には、それなりの「裏付け」があった。東芝が進める半導体子会社の売却額が2兆円にのぼるとの見通しだ。

事前報道をもとに市場では、半導体子会社の売却が想定通りに進み、他の事業で大きな損失が今後出ないとの前提で試算。5月時点で東芝の公表した債務超過額から、株主資本がプラスの約1兆4600億円に回復すると見込み、発行済み株式数で割った1株当たり株主資本(BPS)は約344円になるとはじきだした。

東芝の株価純資産倍率(PBR)を解散価値ちょうどの1倍とすれば、株価は344円となる。東証1部から2部への降格や上場廃止で、パッシブ型ファンドからの需要減少や、流動性低下による影響があったとしても、理論的には、それだけで株式の価値はゼロにはならない。純資産は株主価値として残る。

しかし、その「皮算用」は、23日の記者会見で崩れた。東芝の綱川智社長は2兆円の買収金額が今年度中に払い込まれた場合の、資本のプラス効果は約7000億円との見方を示したためだ。

東芝が23日に発表した16年度末の株主資本は5816億円のマイナスと、債務超過の見込み。7000億円のプラス効果を単純に計算すれば、株主資本は1000億円強にとどまる。344円の試算の前提だった1兆4600億円とはかけ離れた水準だ。

綱川社長は会見で「17年度末には株主資本比率10%に届くレベルに回復したい」と述べたものの、市場は懐疑的だ。「資本の水準としては全然足りない。新生東芝が生み出す利益はたかが知れている。マクロ要因で株主資本が再びマイナスとなる懸念は払しょくできない」(銀行系証券アナリスト)という。

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