「ザ★チャーハン」が男性の胃袋をつかんだ理由がつがつと食べられる(4/4 ページ)

» 2017年06月30日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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“新しさ”の意図を販売現場に伝える

 こうして完成した、ザ★チャーハン。あとは市場投入してお客さんの反応を見るだけ……というわけにはいかず、店頭に置いてもらうために社内外の理解を得ることが必要だった。パッケージや容量をこれまでと大きく変えたことから、そのコンセプトや「売れる」という思いを十分に伝えることが難しかったという。

 当初、社内の営業担当者や小売店などの取引先から、疑問の声が聞こえてきた。量を増やしたことで、他の商品より100円程度高い400円前後の販売価格が想定される。そのため、「単価が高い。本当に売れるのか」「量はこんなにいらない」といった意見もあったという。それでも、「食べれば『おいしい』と言ってもらえる」。販売のモチベーションを上げるために、田中さんら商品開発グループは説明を重ねた。

photo 2016年12月には、シリーズ第2弾「ザ★シュウマイ」を発売した

 繰り返し伝えたのは、「新しい市場をつくる」という思い。「競合他社からお客さまを奪うのではなく、冷凍チャーハン市場そのものを大きくすることが必要」と田中さんは強調する。そのためには、常識を変えるような新しい商品を提供し、消費者により満足してもらうことが欠かせない。何度もそのような説明をすることで、機運を高めていった。

 発売から約2年。狙い通り、男性を中心にファンを増やしている。しかし、田中さんは「全体を見ると、ザ★チャーハンを買ってくれている人はまだ多くない」と見る。「“手作り派”にも、冷凍食品だからこそ実現できる価値を伝えていけば、もっと伸びるチャンスはある」。加熱する市場で切磋琢磨し、さらなる市場活性化に挑む。

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