サッポロビールの「愛のスコールホワイトサワー」、予想以上に売れているあの会社のこの商品(3/4 ページ)

» 2017年07月03日 08時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

愛の販促で店頭に大量陳列

愛の販促での大量陳列例。緑色を基調としているだけに店頭で目立つ

 売れなかったらスコールというブランドに傷をつけ、南日本酪農協同に迷惑をかける。強いプレッシャーを感じる中で始まった愛のスコールホワイトサワーの販売だが、発売と同時に勢いよく売れていった。年間13万6000ケース(1ケース:250ml×24本換算)で販売を開始し、発売から3カ月で計画をクリアしたほど。乳性フレーバーの人気やスコールというブランド力もあり強気の年間計画を立てたが、営業マンの熱い想いが小売店のバイヤーにも伝わり、予想以上にいい形でスタートダッシュが切ることができた。あまりにも売れすぎ、生産が一瞬追いつかなかったこともあったほどだった。

 営業マンは、商品名にかけて「愛の販促」を展開していった。愛の販促はホワイトデー、母の日、父の日、七夕など、少しでも愛にまつわる日に、店頭で大きく露出するもので、発売前の販促会議で決まった。愛の販促カレンダーを作成しており、スケジューリングもできているほど。濃い緑を基調とした目立つパッケージデザインなこともあり、店頭での大量陳列は圧巻のひと言だ。

 また、すでに終了したが、Twitterを使った「カンパイを贈ろう!キャンペーン」を実施した。想いを伝えたい相手に、ブランドサイトに用意されたGIF動画とメッセージを「#大人スコール」というハッシュタグを付けて送ると、その中から毎月10人に愛のスコールホワイトサワーの6缶セットをプレゼントした。店頭での露出強化とSNS上での拡散が融合し、広く知られることになった。

「カンパイを贈ろう!キャンペーン」で用意された10種類の動画では、このようなシーンやメッセージが見られる

 このほか、発売と同時にラジオ放送も実施した。5月で終了したが、FM802(大阪)をはじめ4局で「サッポロ 愛のスコールホワイトサワー GOOD TIME」を放送。毎週火曜日の午後6時からの20分間、歌手の秦基博さんとDJの中島ヒロトさんの2人が、「カンパイ!」をテーマに番組を進行していった。「カンパイ!」をテーマにしたのは、スコールがデンマーク語で「乾杯」という意味があることに由来する。

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