森友問題や加計学園問題のような「疑惑」をたきつけるのは得意だが、不正や不祥事の証拠をかかげて政治家のクビをとることを、ほぼ「文春」と「新潮」にやってもらっている新聞やテレビの立派なジャーナリストは、口を開くたびに、「ヒトラー安倍のおかげでマスコミが萎縮している」と言い訳をしてきた。
そんななかで、東京新聞の望月衣塑子記者が会見で菅義偉官房長官に23回も食ってかかるという出来事があった。望月さんは週刊誌にこんなことをおっしゃっている。
「会見場にいた大勢の官邸記者クラブの記者さんたちはシーンとしていて、最初は戸惑いました。政治部の仕事場では、私のように質問を繰り返すやり方は礼を失していると思われたのかもしれません」(週刊ポスト 2017年6月30日号)
「権力に忖度して萎縮」が真っ赤な嘘で、記者クラブ制度という「馴れ合い」を70年続けきたことの弊害だというのは誰でも分かる。事実、政権批判が脊髄反射となっている『サンデーモーニング』(TBSテレビ)のコメンテーターからも、これは記者クラブ制度に問題があるんじゃないのという声があがったくらいだ。
ただ、そんな状況のなかでも、同番組に出演されている毎日新聞特別編集委員の岸井成格さんからは「記者クラブ」のキの字もでなかった。国民には分かりづらいが、とにかく政権がメディアに恐ろしいプレッシャーをかけていて、「巧妙かつ執拗な揺さぶりで分断されている」と熱弁をされていた。
想像していただきたい。他人には批判を真摯(しんし)に受けとめろだとか、謙虚になれといつも言っているのに、周囲からおかしいよねと指摘される自分の「非」は絶対に認めない。こんな上司のもとで、不毛な仕事を延々とさせられて叱責までされる部下が気の毒でしょうがない。
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