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» 2017年07月06日 12時05分 UPDATE

赤坂8丁目発 スポーツ246:今オフ、大谷翔平はメジャーに移籍できるのか (4/4)

[臼北信行,ITmedia]
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母校の存在

 最後にもう1つ、補足しておきたい。大谷が今オフのメジャー移籍を思いとどまる可能性がある理由として「母校の先輩」の存在がある。今オフにもポスティングシステムを使ってメジャー挑戦がうわさされている西武のエース・菊池雄星投手だ。大谷と同じ花巻東高校OBで3学年先輩。結局断念はしたものの高校卒業と同時に日本のプロ野球球団には入らず、米メジャー球団と直接契約を結ぼうとした経緯がある点も大谷と共通している。

 菊池は16年、英語堪能な元フリーキャスターの女性と結婚。メジャー移籍に向けて着々と準備を進め、球団側とも水面下で話し合いを重ねていると言われている。昨季は自身初の2ケタとなる12勝をマークし、2年連続で開幕投手を務めた今季も順調でこのままいい数字を残せば「いよいよゴーサインが出されるのでは」ともっぱらだ。本格派の左腕だけにメジャーの複数球団から現時点でも熱い視線が向けられている。

 そうなると今オフは雄星と大谷が日本球界からメジャーへダブル移籍を果たす可能性が出てくる。ただ、それでは花巻東の先輩後輩が同じメジャーの移籍市場に出てくるわけだから「ウチはオオタニが獲れたからキクチは不要」「いや、オオタニよりも左のキクチのほうが魅力的」などというケースが生まれ、お互いにパイを奪い合うような“共食い”になってしまうこともあり得る。

 「我々が考えている以上に花巻東野球部出身のOBたちは卒業後も監督の佐々木洋さんに心酔し続けています。監督の夢は『花巻東の野球部からメジャーにはばたき、世界を目指す選手が出てほしい』こと。そういうこともあって雄星君も翔平君もメジャーでのプレーを目標にしているのです。

 おそらく2人は、どこかのタイミングで佐々木監督に今オフの去就について相談するでしょう。そして翔平君のほうが今年置かれた自分の立場がよくないと考え、とりあえず今オフに関しては先輩との競合も避ける形で自身の移籍を見送り、雄星さんに先にメジャーへ行ってもらうという結論を出す。そういうシナリオも考えられると思います」(花巻東に近い事情通)

 18年、大谷はどのチームのユニホームを着ているのだろうか。メジャーでも「二刀流」を続けるつもりなのかも含め、日米が今オフの決断の行方に注目している。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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