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» 2017年07月12日 11時00分 UPDATE

開業から丸2年:「変なホテル」総支配人が語る、完全無人化が不可能な理由 (4/5)

[鈴木亮平,ITmedia]

これ以上のスタッフ削減は難しい?

――現在配置している5人のスタッフはどんな仕事をしているのですか?

大江: 当然ですが、まだロボットにはできない仕事を任せています。具体的には清掃業務です。床掃除や窓掃除などのロボットを導入していますが、ロボットだけでは部屋の隅まで完璧にきれいにすることが現状では難しいのです。

 廊下であれば、ある程度きれいにできれば問題ないのですが、宿泊者が泊まる部屋は完璧な掃除が求められます。髪の毛1本でも落ちていれば大クレームを受けることになりますので。

photo 変なホテルの室内

 また、浴室やトイレの掃除、ベッドメイキングに関しては、まだ対応できるロボットがありません。当初は掃除業務の全てを自動化できると考えていましたが、この辺りは思ったよりも技術的ハードルが高く、まだ時間がかかりそうです。もちろん、ゆくゆくは自動化したいと考えています。

 ただ、水回りの掃除の場合、宿泊者がチェックアウトした後に行いますので、宿泊者が掃除ロボットを見て楽しむことはありません。ですから必ずしも、ロボットにこだわる必要はないと考えています。

 例えば、浴槽にコーティング加工などを施せば、水で洗い流すだけできれいになりますので、費用対効果を考えると、それで十分なのかもしれません。

――スタッフは今より削減できるのでしょうか?

大江: これ以上の削減は、すぐには難しいと思います。敷地が広いので、不審者が侵入するなど何かトラブルがあった場合の対応にも人手が必要になりますので。

 また、宿泊者からの細かい要望への対応もまだ自動化できません。例えば、小さいお子様がいる宿泊者の場合は、「ベビー用ベッドを部屋に置きたい」「ベッドから子どもが落ちないようにベッドカバーを付けたい」などの要望があります。

 宿泊者が手配したものをロボットが部屋まで運ぶことはできませんので、スタッフがこうした細かい要望に対応しています。

 他にも削減が難しい理由として、宿泊者からの質問への対応が挙げられます。先ほども申し上げたように、よくある質問への回答はアプリで見ることができるようにしていますが、過去に出たことのない質問が毎日あります。これにはスタッフが対応するしかありません。「Q&A」をどんなに充実させても、変則的な質問は必ずありますので完全に自動化はできません。

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