あなたの給料は本当に妥当か常見陽平のサラリーマン研究所(3/3 ページ)

» 2017年07月14日 06時00分 公開
[常見陽平ITmedia]
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「稼ぐ」ことについては長い目で見ることも必要

 最後に、私のお金哲学を書きつづる。私は、お金がまあまあ好きだ。「好きなことができて、自由であればお金はいらない」なんてことは考えない。なんせ、消費が大好きだからだ。クルマやファッション、ガジェット、さらにはグルメや趣味にもお金をかけている。

 もっとも、あらゆる手段を使ってガツガツ稼ぐ、私生活を犠牲にしてまで稼ごうとは思わない。自分の時間は大事にしたいのだ。

 目安にしているのは、新卒で入った会社の同期よりは稼ぐこと。自由を手にいれて、好きなことをして、奴らより稼いでいることを、1つの目安にしている。とは言っても、役員になった人、起業した人には勝てないのだが。

 「稼ぐ」ことについては長い目で見ることも必要だ。ぶっちゃけ私は、最初の会社では29歳で年収1000万円以上も稼いでいた。しかしその後は、転職するたびに150〜200万円ずつ減っていった(最後の会社は副業を認めてくれていたので、最初の会社員時代の年収を超えたが)。

 実は、年収が下がったときの経験が、その後のビジネスにつながっている。そのお陰で独立した後は自分でも“引くくらい”に稼いでいた。ただ、身も心もボロボロになるくらいに働いたので、いまは反省してマイペースでやっている。

 繰り返し申し上げるが、「世の中カネじゃない」という人は、諸々理解してから発言するべきだ。そして、目先の給料だけでなく、「稼ぐ」ことについては長い目でみなくてはいけない。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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