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» 2017年07月21日 06時00分 UPDATE

目指すのは外食のオープンソース化:小さな定食屋に“お手伝い”が全国から集まる理由 (2/5)

[鈴木亮平,ITmedia]

昔からあった「お手伝い」を仕組み化

――数多くの飲食店がある中、「50分の手伝いで1食無料になる」だけで、どうして国内外から450人以上も「まかない」に来るのでしょうか。

小林: 無料で1食を食べたいというより、飲食店を開業したい人などが何かを学ぶ目的でまかないに来ることが大半です。その1食無料券を誰かのために未来食堂に置いていく方も多いので。

 未来食堂が学びの場になっている背景には、いくつかの理由があります。1つは「誰でも自由に働ける(お手伝いができる)」仕組みにあります。

 例えば、「1年だけ勉強のために働きたい」という場合、多くの飲食店では面接で不採用になります。お店は長期間戦力なってくれる人を採用したいわけですから。私も未来食堂を開業する前、飲食店で経験を積もうと思い、さまざま飲食店の面接を受けましたが、「短期間では使い物にならない」と断られました。

 しかし私は、その考え方に疑問をもっていました。働きたい、学びたいと意欲を持っている人が役に立てないなんておかしい。本当は1カ月間だけでも、いや、1時間に満たなくても役に立てるはずだと。

 そこで未来食堂では、50分単位でも働けるようにしようと考えたのです。働きたい人は未来食堂の公式Webサイト上から、自分が参加できる日時(他のまかないさんがシフトに入っていない日時)を確認することができ、手軽にシフトを予約することができます。本人が希望すれば2〜3時間ほど働くこともできますし、月1回くらいのペースで50分だけ働くこともできます。また、飲食店の経験がない人でも参加できます。

 この話をすると、「使い物にならない人が来たらどうするの?」という質問をよく受けますが、どんな人にもできることが必ずあります。また、セキュリティ上詳しくは話せませんが、悪意のある人が来ないための工夫もしています。

 飲食代の代わりに、あるいは勉強のためにお店で手伝いをすること自体は昔からあって、特に目新しいことではありません。しかし、これをきちんと仕組み化した飲食店はほぼ皆無でした。仕組み化して参加しやすくしたことで、そのニーズに応えることができ、結果として未来食堂には多くのまかないさんが来てくれるようになりました。

photo 未来食堂のキッチン

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