特集
» 2017年07月21日 06時00分 UPDATE

目指すのは外食のオープンソース化:小さな定食屋に“お手伝い”が全国から集まる理由 (3/5)

[鈴木亮平,ITmedia]

やりたいことだけを任せる

photo 『ただめしを食べられる食堂が今日も黒字の理由』(今回の記事で主題となった「まかない」について、運営上の工夫や実態についてより詳しく書いた本)

――まかないさんは何を学びに来ているのでしょうか。

小林: 料理や接客、掃除、全体のオペレーションなどさまざまです。ただ、はじめから「これをやりたい」と意思表示するというよりも、どちらかというと学びたいことを明確化するために取りあえず一度やってみようという方が多いですね。

 何度かまかないをすると「これをやってみたい」というイメージが湧いてくる人もいます。未来食堂ではそこをきちんと拾って、やりたいことをやってもらっています。

 もちろん、やってみたいことをうまく言語化できない人もいます。そういうときは、その人の行動や態度から察して、私からさりげなくアプローチをします。「これ、やってみませんか?」といった具合に。

 関心があることは行動に出てくるものなので、まかないさんの行動や反応はかなり注意をして見ています。50分の間に、いかにその方の関心を見つけてやりたいことをやってもらうか、それは未来食堂に来てくれたまかないさんに対する私の責務だと思っています。

――まかないのやりたいことを尊重するのはどうしてですか。

小林: こちらが指示したことだけしか任せてもらえない環境では、また来てみようという意欲がなくなるからです。ですから未来食堂では、一般的な飲食店のように「まずは皿洗いを完璧に覚えてから」みたいなことはしません。本人のやりたいことを必ずやってもらいます。

 例えば、料理に興味がある人が来たとします。しかし、その人は接客が得意で、料理が不得意です。この場合、店としては取りあえず接客を任せた方が生産性は高いですよね。ただ、そこで料理を経験させてもらえなければ、その人はもう未来食堂でまかないをしなくなるでしょう。もちろん、料理が全くできない人に厨房を全て任せることはありませんが、例えば野菜を切ってもらうなど、出来そうなことから少しずつ任せていきます。

 一般的な飲食店では、スタッフに不得意なことを積極的に任せたりしません。しかし、未来食堂なら不得意な分野にも挑戦できます。これが、まかないさんが集まる要因の1つだと考えています。

 もちろん、未来食堂にとっても大きなメリットがあります。やりたいことを任せる方が、関係性が続くからです。結果として戦力になります。まかないをリピートしてもらう方が、未来食堂側としても助かるので。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集