特集
» 2017年07月21日 06時00分 UPDATE

目指すのは外食のオープンソース化:小さな定食屋に“お手伝い”が全国から集まる理由 (5/5)

[鈴木亮平,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

マニュアルを作らない理由

photo 小林せかいさん

小林: もう1つ、リピートしてもらうために重要なポイントとなっているのが「マニュアルがない」がという点です(※服装や接客マナーなどの最低限のマニュアルは存在する)。

 全くの未経験者にはやり方を教えますが、店内の拭き掃除や皿洗い、食器の片付け方、調理方法などは、基本的にはまかないさんに裁量に与えて、工夫しながら動いてもらうようにしています。

 「正解はないので、自分なりに工夫してやってみてください」というと、まかないさんもやる気が出てきます。どんな単純な作業でも考えながらやることで面白くなりますし、自分が店づくりに貢献していると思えるため、モチベーションが高くなるんですね。

 また、マニュアルで「正解」をガチガチに固めず、創意工夫の余地を与えることで私自身も新しい発見を得ることができます。例えば、閉店後の掃除。掃除する場所をあえて指定せず、まかないさんが気になる箇所を掃除してもらうようにしているのですが、人によって気になる箇所も違ってくるので、私も気付かなかった場所をきれいにしてくれることも多いのです。

 ITの世界でよく使われるオープンソースのように、外部の人間(まかないさん)が参加することによりアップデートし続け、徐々に完璧なマニュアルを作っていけば良いと考えています。

 いろんな知恵を集めることができるので、私が1人で作るマニュアルより、絶対にいいものになるわけですから。しかも、まかないさんもモチベーションをもって主体的かつに取り組めるので一石二鳥です。これからも、まかないさんたちの力によってお店を進化させていきたいです。

――最後に、未来食堂の今後の展開について教えてください。

小林: 多店舗展開など事業を拡大させることに興味はありません。目的は「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所を作る」という未来食堂の理念が広く知れ渡ることです。

 そうすることで、飲食店という業態に限らず、何かしらの形でその理念を実現しようとする人が現れてほしいと思っています。理念のバトンを渡していくことが、私の役割なのです。

前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集