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» 2017年07月21日 11時06分 UPDATE

投機や死亡のリスクも:ビットコインで人に投資、仮想株式VALUは「あだ花」か (1/2)

個人が発行した模擬的な株式を市場で売買する実験的な取り組みが、日本で関心を集めている。

[ロイター]
photo  7月21日、個人が発行した模擬的な株式を市場で売買する実験的な取り組みが、日本で関心を集めている。パリで6月撮影(2017年 ロイター/Benoit Tessier/Illustration)

[東京 21日 ロイター] - 個人が発行した模擬的な株式を市場で売買する実験的な取り組みが、日本で関心を集めている。VALU(バリュー)と呼ばれる「株式」をビットコインを使って売買し、その発行者の人気で「価格」が上下、他者に売却もできる。個人にとって新たな資金調達のマーケットが誕生する可能性もあるが、投機的売買の防止など課題も多い。

<時価総額は「友達」の数などで決定>

運用会社名はVALU(東京都渋谷区)。広告・デザイン関連企業のPARTY(同)がブロックチェーンに着目した新事業を展開するための「思考実験」として、昨年12月に設立した。5月31日の試行サービス開始後、発行者は旧ライブドアで社長を務めた堀江貴文氏など1カ月半で約1万2000人に達している。堀江氏はVALUの取締役にも名を連ねる。

VALUはインターネットを通じ不特定多数から資金調達をする点で、クラウド・ファンディングと似た面がある。クラウド・ファンディングが明確な目的や企画に対して投資を求める半面、VALUは個性や経歴、将来性を投資者にアピールできれば、発行者は資金調達が可能になる。投資対象は「その人」だ。

農業・林業の振興、自殺防止のための施設運営準備、コスプレ愛好者としての活動資金──。VALUの運営会社が開設したホームページの中で、発行者それぞれが自分自身を売り込んでいる。

「有名人」である必要はなく、フェイスブックを利用し、運営会社の審査に通れば、基本的にVALUは発行できる。

ただ、発行時にはフェイスブックの「友達」の数などをもとに、運営会社が登録者のVALUの時価総額を決めるため、調達金額はその人の知名度などで異なることになる。

もう1つ株式と違うのは、VALUの購入者に対し現金や仮想通貨、金券で配当を出すことが認められていないことだ。発行者の行動に対する「議決権」もない。発行者が提供するのはモノやサービスであるため、株式やファンドに該当しないというのが専門家の見方だ。

新しい仕組みのため法的問題を懸念する声もあるが、「ファンクラブの会員に対し限定Tシャツやファンサービスを提供するのと同じと考えれば、問題がある話ではない。金融商品取引法に反しているかと言われれば、ほぼ『シロ』だ」と、日本ブロックチェーン協会顧問で、仮想通貨に関する法制度に詳しい斎藤創弁護士は指摘する。

金融庁関係者は「個別企業のことにはコメントしない」とする。一方、「IPO(株式の新規公開)は財務内容について開示制度があるのに対し、ICO(暗号通貨の新規公開)にはそうした制度がない。運営会社はIPOとの違いを利用者に周知すべき」(金融庁幹部)との声も出ている。

一度、公開・取引されたVALUは「暗号通貨」として流通するという。

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