若い人の会話で空回りする、典型的な4つの場面おじさん世代の思いが伝わらない(2/4 ページ)

» 2017年07月24日 07時31分 公開
[的場正人ITmedia]

「とにかく行動量を増やせ」が通じない

 営業を一例として、具体的にご紹介していきます。

すれ違い場面(1)「とにかく行動量を増やせ」が通じない

 研修や講演を行うなかでさまざまな事例に触れていると、新入社員と向き合う上司や先輩がすれ違う場面がいくつか見えてきました。典型的なものを4つご紹介します。

 1つ目は「とにかく行動量を増やせ!」と言ってもなかなか通じないこと。新入社員は、なぜ行動量が必要なのかすんなりと理解してくれません。「むやみに行動するのは取引先に迷惑をかけるだけでなく、考えることを放棄した怠惰な人間のすること」と考える人もいるほどです。

 昔は会社の業績のため、もしくは給料を上げるために働くのは当たり前でした。しかし若い人の多くは子どものころからお金やモノに対する欲求は満たされているので、会社の成長やお金は働くことのモチベーションにつながりにくいのかもしれません。

 そんな世代を納得させるためには「行動量を増やすことが、お客さまへの提供価値や自分の成長につながる」ということを、エピソードを交えて丁寧に伝えることが重要です。

 私は新人時代、求人広告の営業として毎日50件程度訪問していました。9割以上は断わられていたのですが、やがて経営者が口をそろえて「どうせ若い人は来ない」と言っていることに気付きます。当時の求人広告は新聞が中心で、若い人からの応募は集まりませんでした。私が扱っていたのは若い読者が中心の情報誌。「社長、今若い人が見ているのは新聞ではなく情報誌です!」と言うと、身を乗り出して話を聞いてくれました。お客さまにぶつかる経験を重ね、そこからヒントを得た私はやがて、エリアや商品が変わっても勝ちパターンを見つけられるようになりました。

 ここまで話せば若い人も「行動量が成長につながる」とハラオチします。物欲は低いかもしれませんが、成長意欲は高いので、モチベーションにもつながるわけです。

スマホを上手に使いこなす世代と、どのように接すればいいのか

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