若い人の会話で空回りする、典型的な4つの場面おじさん世代の思いが伝わらない(4/4 ページ)

» 2017年07月24日 07時31分 公開
[的場正人ITmedia]
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「気軽に相談しろ」が通じない

すれ違い場面(4)「気軽に相談しろ」が通じない

 4つ目は「気軽に相談しろ」では相談に来ないこと。上司や先輩は「新人がなぜ相談に来ないのか」を掘り下げて考える必要があります。若い人たちは「何も知らないイマイチなヤツ」と思われるのを極端に嫌います。また「空気が読めない」と思われたくないので、忙しそうな先輩を気遣って話しかけることができません。

 しかも、せっかく勇気を出して相談したのに、話している間ずっと先輩がモニターをにらんでキーワードをカチャカチャとタイピングしていたら、声をかけづらくなってしまいますよね。「この人にだったら相談できる」と信用されるように、上司や先輩のほうが相談しやすい環境をつくることが大事なのです。

ベテランも「対人コミュニケーション」を見直そう

 ここまで読んで「若い人を育てるのは大変だ!」と思った人もいるかもしれません。でもよく考えてみてください。新人の力をうまく引き出すことができたら、その組織は強くなります。彼・彼女らはオジサン世代とは、「鍛えられている場所が違う」だけで、ポテンシャルや新しい時代への順応性はとても高いのです。

 新人を育てられない組織は、いずれ弱体化するでしょう。若い人が成長できるかどうかは、日本の競争力にも関わる大きな問題です。今回は営業の事例を多用しましたが、これはどんな職種にも通じる話。今こそ、新人もベテランも対人コミュニケーションのあり方を見直すべきではないでしょうか。

著者プロフィール:的場正人 (まとば・まさひと)

リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコンサルタント

 1971年生まれ。北海道大学卒業後、リクルート入社。営業MVPを連続受賞の後、営業マネジャーとしても最優秀営業課賞を連続受賞。その経験をもとに、コミュニケーションを仕事とする営業職のコンサルタント活動をはじめ、講演や研修講師としても活躍。主な著書に『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること ―一人前の営業になる6つの習慣』(日本経済新聞出版社)(日本経済新聞出版社)がある。


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