ニュース
» 2017年07月28日 12時31分 UPDATE

内燃機関の時代に幕か:電気自動車の勝利か 英国が脱ディーゼル・ガソリン宣言 (1/2)

英政府は、大気汚染の改善を目的にガソリン車とディーゼル車の新規販売を2040年から禁止すると発表した。100年以上にわたる内燃機関の時代に幕が下りるかもしれない。

[ロイター]
photo 7月26日、英政府は、大気汚染の改善を目的にガソリン車とディーゼル車の新規販売を2040年から禁止すると発表した。写真はロンドンで充電する電気自動車。2016年4月撮影(2017年 ロイター/Neil Hall)

[ロンドン 26日 ロイター] - 英政府は、大気汚染の改善を目的にガソリン車とディーゼル車の新規販売を2040年から禁止すると発表した。100年以上にわたる内燃機関の時代に幕が下りるかもしれない。

フランス政府による同様の決定に次ぐ今回の英政府の決定は、電気自動車(EV)の勝利を意味する。こうした決定が世界各国で続けば、産油国の富が打撃を受けるだけでなく、自動車産業の構造変化が促され、20世紀資本主義を代表する存在だった自動車そのものが変わることになる。

パリやマドリード、メキシコ市やアテネの市長はそれぞれ、2025年までに市街地中心部へのディーゼル車乗り入れを禁止する計画を発表している。仏政府も、2040年までにガソリン車とディーゼル車の新規販売を禁止する方針だ。

英政府は、民間団体から訴えられた裁判に相次いで敗れて以降、大気汚染を減らす政策を取る圧力にさらされていた。メイ首相の保守党は、2050年までに「ほぼ全ての自動車とバン」を、排気ガスの出ないゼロエミッション車にする公約を掲げる。

「2040年までに、ディーゼル車とガソリン車の新車はなくなる」と、ゴーブ英環境相は英国放送協会(BBC)ラジオで語った。新たな規制は、電動モーターと内燃エンジンの両方を備えたハイブリッド車(HV)ではなく、内燃エンジンだけを備えた車が対象になるという。

だが、実現への道は容易ではない。

EVは現在、英国で登録される新車の5%にも満たない。ドライバーがコスト高や充電スポットの不足を心配する一方、メーカー側は十分な需要が生まれる前に多額の投資を行うことに慎重な姿勢を見せている。

「十分な移行期間を与えなければ、好調な英国の自動車産業をだめにしかねない」と、英自動車工業会(SMMT)のマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は言う。

ホーズ氏によると、英国には公共の充電スポットは1万2000カ所しかなく、新たな充電インフラの整備のほか、多くの人が同時に充電しても対応できる電力網も必要になる。

<電気自動車は未来か>

多くの自動車メーカーにとって、内燃エンジンの終わりを受け入れるのは困難な一方で、EVや、さらには無人運転自動車に未来を賭けるメーカーもある。

スウェーデンのボルボ・カー・グループは今月、2019年以降に発売する全ての新モデルを完全なEVかHVとすると発表し、老舗の大手メーカーでは初めて「脱内燃機関」の期限を切った。

ルノー・日産連合は2009年に、EV開発に40億ユーロを投資する計画を発表した。

しかし、独フォルクス・ワーゲン(VW)が2015年に米国のディーゼル排気試験で不正を行っていたことを認めるまで、ほとんどの自動車大手で、電気自動車に大規模投資する動きは鈍かった。

ディーゼル車なしで二酸化炭素(CO2)排出削減目標を達成するのは困難だが、ディーゼルへの風当たりが強まったことで各メーカーは戦略を再考し、新たな目標を打ち出し始めた。

VWは昨年、2025年までに30車種の新たな電気自動車モデルを発表し、全体の生産台数の最大約25%にあたる年間200万─300万台を販売する野心的な計画を発表した。

「今の内燃機関は、少なくとも今後20年は価値を保つだろうが、未来が電気自動車にあるのは明白だ」と、VWのマティアス・ミュラーCEOは今年語っている。

ディーゼル技術を強力に擁護してきた仏自動車大手PSAグループのカルロス・タバレスCEOも、消費者の需要と政府の補助を前提に、電気自動車の大量生産に移行する考えを26日示した。

「電気自動車の興隆は、政府の補助金や支援に依存する部分が大きい」と、タバレス氏はアナリスト向け1−6月期決算説明会で述べた。PSAは、完全EVと、プラグインハイブリッド車の新モデルを2019年から発表する予定だ。

ハイブリッド技術の先駆者であり、バッテリーのみのEV開発に消極的だったトヨタ自動車は昨年戦略を転換し、100%EVの新モデルを投入する計画だ。

       1|2 次のページへ

Copyright © 2017 Thomson Reuters

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集