中国では電子商取引大手のアリババなどのIT企業がアプリを使った店舗向けの決済サービスを提供しており、スマホさえあれば、QRコードを読み込むことで、店頭でもすぐに電子決済ができる環境にある。都市部では、屋台における支払いも電子決済が当たり前となっている。
中国の場合、クレジットカードといった既存の決済インフラが整っていなかった事情もあり、はじめからスマホを使用したキャッシュレス化が進んできた。このため、スマホを使った決済サービスに対する抵抗感があまりなく、爆発的な普及を促している。
十数億人の人口を抱える巨大マーケットがキャッシュレス化に向けて動き出したインパクトは大きい。家電量販店のビックカメラがビットコイン決済の導入を始めたり、LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションが年内にビットコインによる支払いに対応するなど、日本でも決済手段の多様化に乗り出す企業が増えているが、最大の理由は電子決済を望む中国人観光客を囲い込むためである。
日本は先進国の中では最も現金決済の比率が高い国として知られてきたが、状況は大きく変わりつつある。日本の場合、既に多くの店舗にクレジットカード端末が設置されており、これに加えて「楽天Edy」や「Suica」など、電子マネーのサービスもそれなりに普及している。
さらに、決済サービス「Apple Pay」が上陸するなど、スマホベースの決済サービスが拡大している。スマホはほとんどの人が持つ共通インフラであり、決済インフラとしての潜在力は大きい。
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