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» 2017年08月14日 06時10分 UPDATE

池田直渡「週刊モータージャーナル」:驚愕の連続 マツダよそれは本当か! (2/4)

[池田直渡,ITmedia]

(2)の安全については、基本となる視界やドライビングポジションの適正化に加え、センサーやカメラを用いた認知・判断をサポートする運転支援システムの標準装着化、さらにマツダが提唱する「マツダ Co-Pilot Concept」に基づく自動運転システムの研究開発が要旨となる。

 (3)心の健康に関しては、マツダがかねてより提唱してきた「運転による心身の活性化」を目指し、「走る歓び」をさらに進めると言う。

 (2)と(3)は明らかに筆者の説明不足だし、実はおもしろい話がたくさんあるのだが、それを書いていると今回のメインディッシュである「SKYACTIV X」に永遠にたどり着けないので、いずれ折りに触れてということでご容赦願いたい。

 さて、長期ビジョン全体の中で、最も注目されたのは「内燃機関の革新」の中核となるSKYACTIV Xだ。かねてよりマツダが研究中と伝えられてきたHCCIエンジンがいよいよそのベールを脱いだことになる。

 HCCIとはHomogeneous-Charge Compression Ignitionの頭文字を取ったもので、日本語で書けば「予混合圧縮着火」である。筆者が最初に意識したのは00年代初頭に現ダイムラーが次世代技術としてプッシュしたときだ。

 さて、ここからはエンジンのお勉強だ。通常のガソリンエンジンは、理想的な空燃比(14.7:1)にした混合気にプラグで着火する。紙の端っこにマッチで火を付けて燃え広がらせる。つまり端から順番に延焼させていく燃焼メカニズムである。だから技術の核となるのはどうやって燃え広がり易い状態を作るかということになる。

SIとHCCIの違い SIとHCCIの違い

 少し前にリーンバーンエンジンが流行した。リーンバーンは少ないガソリンで燃焼を行い、燃費性能を上げようというシステムだ。あれの失敗の原因はまさに燃え広がり難さにあった。燃料が薄いということは燃え広がるのに都合が悪い。紙の例えに戻れば、部分的に湿っていて燃え難いために、途中で火が消えて燃え残ってしまう状態になる。燃料が少なくて空燃比が薄いにもかかわらず燃焼がくすぶり、まるで燃料が濃すぎるときと同様、煤が大量発生して燃焼室に堆積してしまうのだ。リコールの多さに辟易した自動車メーカーはリーンバーンから撤退した。

 薄い燃料でも安定的に燃やす方法は無いのか? そこで考え出されたのが、圧縮着火である。気体は圧縮すると温度が上がる。物理で習ったPV=nRT。理想気体の状態方程式というヤツだ。数式の便利なところは分かる人にはそれだけで分かることだが、逆に悪い点は、分からない人には見ただけで嫌になるところだ。嫌になった人は単純に気体は圧縮すると温度が上がると理解しておけば、ここでは困らない。

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