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» 2017年08月25日 12時39分 公開

依存〜溺れるネット世界:覚醒剤打ち一睡もせずネット株取引 「心の穴」埋めてくれる (1/3)

覚醒剤を打ちながら月曜の朝から一睡もせずに画面をにらんだ。食事はほとんどとらない。金曜に気を失い、2〜3日眠って、月曜からまたネットトレードを始めた。

[産経新聞]
産経新聞

 インターネットが広く浸透し始めたとされる今から10年ほど前に、兵庫県出身の稲村聡一(43)はネットトレードにはまった。学業や仕事、結婚。「経歴」だけなら、どこにでもいるような40歳代の一般男性だが、平凡な生活に満足感を全く持てなかった。唯一、夢中になれたというネットトレードは、稲村を破滅へと向かわせた。

不眠不休の月〜木、金曜に気を失う…「風呂に入る時間ももったいない」

photo 日常の生活では得られない「充足感」をネットトレードで埋めていたという(写真と本文は関係ありません)

 ネットトレードにはまった当初はアパレル会社に勤め、営業成績はトップクラスだった。年間100日は出張していたものの、次第に仕事はメールで済ませ、出張先のホテルにこもってネットトレードに専念するようになる。

 取引で100万単位で利益が出ると優越感を持てた。ただ、100万円の損失を出しても焦りはなかった。「まだ負けられる。いつでも取り返せる」。それぐらいの蓄えはあると思っていたし、自分は冷静に、夢中になっていると信じ込んでもいた。

 そして35歳の時に退社した。すでに離婚し、背負う家族はなかった。だが何より「風呂に入る時間ももったいない。取引を続けたい」という思いが、稲村を突き動かしていた。

 それからは、大学時代のアルバイトの先輩から教えてもらったという覚醒剤を打ちながら月曜の朝から一睡もせずにパソコンの画面をにらんだ。食事はほとんどとらない。金曜に気を失い、2〜3日眠って、月曜からまたネットトレードを始めた。

母親に死ぬほど暴力 親友もいない

 稲村は幼少のころから何ごとも「現実」と向き合うことができず、少しでもやっかいなことが起きると、すぐ逃げた。

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