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» 2017年09月14日 11時16分 公開

最終盤のドラマ:東芝メモリ買収、日米韓が最終盤でリード 残るWD訴訟リスク (1/3)

半導体子会社の売却交渉を進める東芝は、米系ファンドのべイン・キャピタルと韓国半導体大手SKハイニックスを中心とする「日米韓連合」と交渉加速に向けた覚書を交わした。

[ロイター]

[東京 13日 ロイター] - 半導体子会社の売却交渉を進める東芝<6502.T>は13日、米系ファンドのべイン・キャピタルと韓国半導体大手SKハイニックス<000660.SK>を中心とする「日米韓連合」と交渉加速に向けた覚書を交わした。米ウエスタンデジタル(WD)など他の2陣営を引き離した格好だが、WDが提起した訴訟問題は解決しておらず、日米韓連合が契約締結を勝ち取るのか、不透明要素があるとの指摘も交渉関係者から出ている。

photo 9月13日、半導体子会社の売却交渉を進める東芝は、「日米韓連合」と交渉加速に向けた覚書を交わした。米WDが提起した訴訟問題は解決しておらず、同連合が契約締結を勝ち取るのか、不透明要素があるとの指摘も交渉関係者から出ている。写真は東芝のロゴ、1月川崎市で撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

<最終盤のドラマ>

今月8日、東京・浜松町の東芝本社。べインとSKグループ関係者は、東芝の綱川智社長、成毛康雄副社長らが居並ぶ中、半導体子会社「東芝メモリ(TMC)」買収案について、詳細な説明を行った。

「プロジェクト・パンゲア」──。約3億年前に地球上に存在したと考えられる巨大な大陸にちなんで付けられたコードネームを持つ買収プランは、東芝が抱えたWDとの係争で、べイン・SK連合が東芝と共闘することが盛り込まれていた。

べインとSKグループ関係者は、その点を最大のポイントとして強調。対WDへの徹底抗戦を呼びかけた。

関係者によると、綱川氏は別の場所で「我々も一緒に闘ってくれる人たちを探している」と応じたという。

ベイン・SKグループが、再び、日米韓連合に交渉の流れが傾いたと感じた瞬間だった。

TMCの売却交渉は、大きな流れが二転、三転する過去に例を見ない展開となる。

東芝は6月下旬、産業革新機構(INCJ)、日本政策投資銀行(DBJ)にべインとSKハイニックスを加えた日米韓連合を優先交渉先に選定した。

だが、6月末としていた最終合意は遅れに遅れた。最大の障害になったのが、同意のないままTMCを第三者に売却することに反対したWDが、国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所へ5月に仲裁を申し立てたことだった。

WDの主張が認められた場合、日米韓連合によるTMC買収の完了後、連合に参加した各社へのTMC株式の移転が無効になる。

ICCの国際仲裁では最終決着まで3、4年間かかったケースもあった。このため買収が無効になるリスクが数年間続くことに対し、政府資金が入っているINCJとDBJが敬遠。WDとの係争が解消しない限り、最終契約はできないと東芝に主張し、いったん日米韓連合との交渉はストップした。

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