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» 2017年09月20日 11時08分 公開

鉄道会社“悩みのタネ”:ベンチの向きを90度変えるだけ 酔客のホーム転落事故は防げるのか (1/4)

酒に酔った乗客の線路転落を防ぐため、ホームで線路に向かって平行に設置されているのが一般的なベンチの向きを90度回転させる工夫が関西を中心に広がっている。

[産経新聞]
産経新聞

 酒に酔った乗客の線路転落を防ぐため、かつてはホームで線路に向かって平行に設置されていたベンチを90度回転させる工夫が、関西を中心に広がっている。酔客がベンチから立ち上がり、そのまままっすぐ歩いて転落する−という事態を回避しようと導入された。関西圏は首都圏よりもホームドアの設置が進んでいないこともあり、JR西日本が応急処置として始めた。1駅あたり数億円のコストがかかるとされるホームドアの設置に比べて格安だけに“苦肉の策”との見方もあるが、本当にベンチの向きを変えるだけで転落事故が防げるのだろうか。(桑波田仰太)

わずか400万円で…

photo 大阪市営地下鉄御堂筋線の動物園前駅のベンチ。ホームの壁に沿って一列に並んでいる

 大阪市営地下鉄の御堂筋線動物園前駅。ホームの壁に沿って一列に並んだベンチに座る利用者は、線路と向かい合わず、90度横を向いている。

 愛知県から訪れた男子大学生(20)は「地元で見たことがない向きのベンチ。とても違和感があった」と驚いたが、近年、関西圏の鉄道では珍しくない光景になりつつある。

 平成27年に最初に導入したJR西日本の管内では、すでに300以上の駅ホームでベンチの向きが線路に対して90度回転。大阪市営地下鉄でも7月現在、123駅中18駅で工事が完了した。

 市によると、御堂筋線心斎橋駅のホームドア設置にかかった費用は約3億円だったが、動物園前駅のベンチの向きを変える工事はわずか400万円だった。

photo 線路に向かって設置されたかつてのベンチ(左)では、酔客が立ち上がり、そのまままっすぐ歩いて線路に転落してしまう。しかし、90度回転させたベンチ(右)だとこの種の転落事故が防げる―という発想で、JR西日本などが工事を進めている
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