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» 2017年09月29日 12時59分 公開

価格競争か:東芝メモリは正念場、Samsungの脅威 (1/3)

東芝の半導体事業の売却先に「日米韓連合」が決まった。東芝は債務超過回避に向け大きな節目を通過したが、売却される「東芝メモリ」にとって正念場はこれからだ。

[ロイター]
photo 9月28日、東芝の半導体事業の売却先に「日米韓連合」が決まった。2月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 28日 ロイター] - 東芝<6502.T>の半導体事業の売却先に「日米韓連合」が決まった。東芝は債務超過回避に向け大きな節目を通過したが、売却される「東芝メモリ(TMC)」にとって正念場はこれからだ。シェアトップの韓国サムスン電子<005930.KS>との激しい競争に敗れれば、生き残りは難しくなる。

連合に参加した韓国SKハイニックス<000660.KS>との協力や係争中の米ウエスタンデジタル(WD)との和解が、鍵を握りそうだ。

<経産省、日本資本へのこだわり>

フラッシュメモリーは21世紀に入り需要が急増した半導体製品だ。従来のデジタルカメラ、パソコン、スマートフォンといった「端末」の記録用にとどまらず、近年ではデータセンターに設置されるサーバー用としてハードディスクドライブからの置き換えが始まるなど、ICT(情報通信技術)社会のインフラを支えるデバイスとしての性格を強めている。そのパイオニア的な存在のTMCについては、「日本の宝」(日米韓連合の関係者)との声も聞かれる。

この売却交渉に強く介入してきたのが経済産業省だ。同省は、TMCが「日本資本」であることに強くこだわり、そのことが今回の交渉を困難にした要因となった。

今回の売却交渉に関与した関係者は「経産省は、東芝メモリが外資の手に渡ることは、何としても避けたかった。中国勢も米国勢もだ」と断言する。結果的に、今回の入札に参加し金額面で良い条件を提示した米ブロードコムや台湾の鴻海精密工業<2317.TW>は、買収候補から弾かれていった。

今回の買収資金約2兆円のうち、日本勢による資金拠出額は東芝自身の再投資3505億円と、半導体製造部材を手掛けるHOYA<7741.T>の270億円を足した3775億円と全体の18.8%にとどまるが、議決権は同2社で過半を超える資本構成だ。

韓国半導体大手SKハイニックス、アップルやデル[DI.UL]など、今回の買収連合に加わった米有力IT企業も、融資や優先株引き受けを通じた資金拠出とすることで議決権は持たない。

当初は、日米韓連合の中核メンバーに名を連ねた産業革新機構と日本政策投資銀の政府系2社は、WDが国際仲裁裁判所にTMCの売却差し止めを申し立てた係争が解決されれば、アップルなどに代わって革新機構と政投銀があらためて出資する方向になっている。

TMCをあくまで日本資本にとどめようという意思が、経産省の影響下にある革新機構関係者からも漏れてくる。2024年までの時限組織である革新機構は、今回の出資金を将来、第三者に売却しなければいけない。同機構関係者は今回の出資分について「一番よいのは将来、東芝に買い取ってもらうこと」と話す。

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