加速する「AI型店舗」 小売の現場はこう変わる“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)

» 2017年10月05日 06時00分 公開
[加谷珪一ITmedia]

ドンキとAI型店舗の構築を目指す?

 ユニー・ファミリーマートはLINEと組む一方で、ディスカウントストア大手のドン・キホーテ(以下、ドンキ)とも資本提携を行っている。ドンキとの提携は低迷する総合スーパーの立て直しが狙いだが、中長期的にはAI型店舗の構築に関する協業も視野に入っている可能性が高い。ドンキもAIを活用した次世代型店舗の展開を計画しているからだ。

 ドンキはポイントが使える独自の電子マネーサービス「majica」を提供しており、会員数は既に500万人を突破した。同社のAI活用はmajicaの会員向けサービスが中心となる。

 同社がイメージしているAI型店舗では、majicaの会員がアプリをインストールしたスマホを持って来店することを前提にしている。

 例えばクルマに乗って来店するケースでは、店舗に近づくとアプリが店舗までの距離や時間を通知するとともに、ゲートに到着すると顔認証システムを使って自動的にゲートが開く。majicaの会員であれば、顔パスで駐車場に入れるわけだ。

 店内においても、今日のおすすめ商品が次々にスマホに送られるほか、立ち止まって見ている商品については、詳しい商品説明が提供される。買い物終了後も、会員の属性に応じたクーポンを送付するなどして次の来店を促す仕組みになっている。

 ファミリーマートも、大株主である伊藤忠商事と共同でスマホ向けアプリを開発し、店舗情報の提供やクーポンの送付、さらには融資といった金融サービスを提供する方針を打ち出している。このアプリはドンキの顧客向けにも提供されるので、ドンキとファミマは一体となって動いていると見てよいだろう。

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