「なぜあの人が昇進?」人事から見えてくる会社の“いま”常見陽平のサラリーマン研究所(3/3 ページ)

» 2017年10月06日 06時00分 公開
[常見陽平ITmedia]
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photo 「転職」の動きから市場の変化を読み解ける

 このように「人がどこからどこに動いているのか」は、まさに市場の分析において見落としてはいけないポイントだ。どの業界が、企業が盛り上がっているのか、そして自社はどんな立ち位置なのか、転職する人たちの動きをみるだけでも、大いに参考になるのだ。

 もう1つ、押さえておくべき点で言うならば、内定者の顔ぶれだ。売り手市場が続いており、採用は困難を極めている。自社は人を採れているのかどうかを見てほしい。人を採用できない企業に、先はない。既に若者にとって魅力がない企業になっていないか、危機感を持つべきだ。さらには、エンジニアの割合が増えたなど、採用の傾向をみることにより、やはり自社の進む方向が見えるのである。

 というわけで、人事談義はゲスい話もいっぱいで酒の肴(さかな)には最高なのだが、一歩ひいて、業界や自社の行方を考える機会にもしてみよう。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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