なぜ高収益? 急成長する「ブロンコビリー」の戦略とは長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/4 ページ)

» 2017年10月11日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]
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立地ではなく、商品力や空間

 同社が「ごちそうレストラン」のコンセプトを打ち出した背景には、本社がある名古屋の風土も関係している。クルマ社会の名古屋では、値段に対してお金を払う価値がないと思うと、クルマで移動してすぐ他の店に行ってしまう。「近場だからこの店でいいか」とはならないのだ。つまり、立地ではなく、商品力や空間などでいかに顧客の満足度を高められるかが勝負になる。

 「コメダ珈琲店」にしても「CoCo壱番屋」にしても、名古屋で育った外食企業が全国に展開しても強いのは、そうした顧客の目に鍛えられてきたからだろう。

 ちなみに、ブロンコビリーは業容の拡大により、今年は120人の新卒を採用した。採用難の時代の中、同社には順調に就職希望者が集まっている。

 竹市社長は「新しい社員たちが育ってくる3〜4年後が楽しみ。次のステージに行きたい」と若者の柔軟な発想とパワーに期待している。

 高収益を上げるブロンコビリーに、若い力が加わることで、今後もさらなる成長が期待できそうだ。

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。


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