“泥試合”を強行した日本のプロ野球は、やっぱりおかしい赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2017年10月19日 11時28分 公開
[臼北信行ITmedia]

“泥試合”開催は一種のトラブル

 だが、その後矛盾も生まれてしまった。18日にマツダスタジアムで行われたセ・リーグのCSファイナルステージ第1戦、広島対DeNA戦だ。試合中から降り注いだ大雨はCSファーストステージ第2戦、阪神対DeNA戦とほとんどそん色ないレベルだったはず。それでも今度は審判員が5回で試合を止め、直前に3点を奪っていた広島の降雨コールド勝ちとなった。

 この試合に関して言えば、審判員が降雨コールドの決断を下したことは何も間違っていないだろう。しかしながら大雨の中で9回まで強行されたCSファーストステージ第2戦、阪神対DeNA戦の際にセ・リーグの杵淵統括が「始まれば9回を目指すのも当たり前」と発言したことに矛盾が生じてしまう。

 セ・パのCSはメジャーリーグのポストシーズンにならって、日本プロ野球界でも10年前から導入されたシステム。消化試合を減らすことでプロ野球人気の活性化につながっているとはいえ、元をただせばこのCS開催によって日本プロ野球界が「金もうけ」を狙っているフシも強い。本拠地開催の権利を得られれば、多く見積もって1試合につき2億円から3億円もの臨時収入を球団側は得られることも、その一例として挙げられるだろう。

 そういう安易な発想からスタートしていることに加え、CS開催の日程をレギュラーシーズンと日本シリーズの間へと強引に詰め込んだため、そのスケジュールはかなりタイトになっている。今年の“泥試合”開催はその弊害によって生じた一種のトラブルと見ていい。NPBが日程に余裕を持たせず無茶苦茶なスケジューリングとルールを作っていたから、このような論争を巻き起こしてしまったのだと思う。

強い雨が降り続けるなかでの試合続行に問題はなかったのか(写真はイメージです)

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