ウエスト・エルムは、ホテル運営と開発を手がける企業「DDK」と共同で、ホテルビジネスに乗り出す。同社が狙うのは、デザイン重視のホテルが少ない中規模の都市だ。
2018年末から2020年にかけて、ミシガン州デトロイト、ミネソタ州ミネアポリス、ジョージア州サバンナ、ノースカロライナ州シャーロット、インディアナ州インディアナポリス、カルフォルニア州オークランド、メイン州ポートランドの7都市で「West Elm Hotels」をデビューさせる。
ウエスト・エルムは、「ラグジュアリーな空間をリーズナブルなプライス」で提供するというブランドコンセプトをホテルにも持ち込むことで、顧客とブランドをつなげる新たな接点になることを狙っている。ぜいたくだがリーズナブルに宿泊できるホテルとして売り出すという。
もちろん、ホテルの部屋で使用されるウエスト・エルムの商品は、購入が可能。実際に部屋で商品を使って体験してもらうことで、気に入ったら商品を買ってもらおうという目論見だ。といっても、部屋にある商品にプライスタグが付いているのではなく、アプリやオンラインで購入でき、さりげなくビジネスに結びつける。
またこんなケースもある。米デトロイトが拠点のライフスタイルブランド「Shinola(シャイノラ)」だ。
シャイノラは、アメリカンクラフトマンシップにこだわり、寂れた工業地帯となっているいわゆる「ラストベルト地域」に位置するデトロイトで、高級腕時計を製造し一躍有名になったブランドだ。「MADE IN USA」にこだわり、現在は時計だけではなく、自転車、レザーグッズ、ステーショナリーなども手がける。ビル・クリントン元大統領などが、同ブランドのファンだとして知られている。2017年に日本に上陸したばかりだ。
シャイノラの製品は、アメリカンクラフトマンシップの美学を結集した、シンプルで機能的、クラッシックなのにモダンさを感じさせるデザインが共感を呼んでいる。品質と品位にこだわっているため、ブランドのシグネチャーともいえる腕時計が、850ドルという強気の価格設定だ。それでも、米国製で「(米国有数の工業地帯である)デトロイトから立ち上がったクラフトマンシップ」という、ブランディングの巧さもあり、多くのファンをひきつけている。
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